宋名臣言行録 / 前集巻三・張詠
民間訛言有白頭老翁午後食人男女公召犀浦謂曰近訛言惑衆汝歸縣去訪市肆中歸明人尚為鄉里患者必大言其事但立證解來明日果得之公遂戮于市即日帖然夜市如故公曰妖訛之興沴氣乘之妖則有形訛則有聲止訛之術在乎識斷不在厭勝
新字:民間訛言有白頭老翁午後食人男女公召犀浦謂曰近訛言惑衆汝帰県去訪市肆中帰明人尚為郷里患者必大言其事但立証解来明日果得之公遂戮于市即日帖然夜市如故公曰妖訛之興沴気乗之妖則有形訛則有声止訛之術在乎識断不在厭勝
書き下し
民間、訛言す、白頭の老翁有り、午後に人の男女を食らうと。公、犀浦を召して謂いて曰く、近ごろ訛言、衆を惑わす。汝、縣に歸り去り、市肆の中を訪ね、歸明の人の尚お鄉里の患いと為る者あらば、必ず大いに其の事を言わん。但だ證解を立てて來れと。明日果たして之を得たり。公遂に市に戮す。即日、帖然たり。夜市、故の如し。公曰く、妖訛の興るは、沴氣之に乘ず。妖は則ち形有り、訛は則ち聲有り。訛を止むるの術は、識斷に在りて厭勝に在らずと。
現代語訳
民間に噂が立った。白髪の老人がいて、午後になると人の男女を食うという。公は犀浦の役人を呼んで言った。「近ごろの噂が人々を惑わせている。おまえは県に帰って、市場の中を調べよ。帰順した者でまだ郷里の患いになっている者があれば、きっと大げさにその話を触れ回っているはずだ。ただ証拠を固めて持って来い」。翌日、はたしてその者を捕らえた。公はそこで市場で処刑した。その日のうちに騒ぎは静まった。夜の市ももとどおりになった。公は言った。「妖しいことや偽りの噂が興るのは、乱れた気がそこにつけ込むからだ。妖しいものには形があり、偽りの噂には声がある。噂を止める術は、見分けて断ずることにあって、まじないで抑えることにはない」。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『甲陽軍鑑』品第十四又信玄衆さいががけへおちたると申す、批判もぶせんさくにて、我みかたをそしる心なり、子細は家康衆信長武者のく所を、信玄衆おふてゆかば、先づ浜松方さいががけへ飛びこみたらんにこそ、武田方の軍兵もがけへ飛びこまんずれ、敵右へにぐるに何とて甲州勢左のさいががけへ飛びいらん、縦へ飛び入りてもそれが武士のよはみになることにてもなし、只町人の批判に相似たる儀なり、
-
『武士訓』卷四・第5段人ありて他をそしるとも。其ものに同すべからず。林和靖が語に。耳雖聞不親曰者。不可從而言之といへり。(いやしき諺に。他のうそは。わがうそといふごとし。)俗人は。善をあぐることをこのまず。惡をあばくことを好めり。この故に一を十にし。十を百にしていひまはる。一人虛をつたふれば。萬人實をつたふならひなり。相違をもたゞさず。みだりに書にしるして。後世に貽すときは。是非邪正を見だることあり。よく〱心をつくべし。
-
『呻吟語』外篇・品藻・易信の心を以て不實の言を聽く人言の實ならざる者は十に九、言を聽きて信じ易き者は十に九、言を聽きて傳へ易き者は十に九なり。易信の心を以て、不實の言を聽き、喜傳の口に播せば、何に由りて何に跖せん。而して海內に流傳し、史冊に紀載せば、冤なる者は冤、幸なる者は幸なり。嗚呼、言ひ難きかな。
-
尚書・盤庚上其れ猶ほ撲滅すべけんや。則ち惟れ汝衆自ら靖(やす)からざるを作すなり、予に咎有るに非ず。遅任言へる有り、曰く、
-
『驢鞍橋』卷下其方抔、今の念の形、面に出したらば、如何様なる形ならんと思はるゝや、大略皆蛇の体計なるべし、浅ましきことに非ずや。然る間無念千万なること哉と、慚愧懺悔して力を出し、奥牙を咬み、拳を握て胸を扣き、身をつねり、憎い糞袋め哉と睨付て、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と申すべし。少しも油断せば、我地獄は措き、あの女は善の悪の、誰れは憎い愛いと余所の妄想まで取り来り、胸の中に取込んて、我地獄と成る物也。返へす返へす願力强く起し、善悪ともに一念も胸に留めじと、五臓六腑を吐出して念仏申さるべし。
-
『酔古堂剣掃』集醒・好んで閨門を談ずる者好んで閨門を談じ、及び好んで亂を譏る者は、必ず鬼神の怒る所と為る。奇禍有るに非ざれば、則ち必ず奇窮有り。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る