甲陽軍鑑 / 品第六
かざりは女人或は商人の法なり、一事をかざれば萬事の實皆僞也、
新字:かざりは女人或は商人の法なり、一事をかざれば万事の実皆偽也、
書き下し
かざりは女人或は商人の法なり、一事をかざれば万事の実皆偽也、
現代語訳
飾るというのは女人あるいは商人の法である。ひとつの事を飾れば、他の万事の真実まで、みな偽りになってしまう。
解説
諸大将の少年時代を書き並べる、その前置きに置かれた一文。身内の武田だけを我が寺の仏のように尊く書けば武士の道ではない、敵味方ともに実のとおりに申し置くのだ、という断りに続く。ひとつ盛れば残り全部が疑われるという筆の掟を先に立ててから、人物評に入っていく。身内を尊く書けば、書いたもの全体が疑われる。飾らないという断りを先に置くことが、この長い記録の信用の土台になっている。
この章句が説くこと
誠実虚飾記録信用筆実
関連する章句
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孟子・離婁章句下孟子曰く、「言に實無きは不祥なり。不祥の實は、賢を蔽う者之に當る。」 <解説> この節は分かりにくい。朱注に云う、「或いは曰く、天下の言實に不祥なる者有る無し、惟れ賢を蔽い不祥の實を為すと、或いは曰く、言にして實無き者は不祥なり、故に賢を蔽い不祥の實を為す、二説同じからず、未だ孰れが是なるか知らず、疑うらくは或いは闕文有らん。」私は後説を採用し、かなり強引な解釈をした。やはり朱子の言うように闕分が有るのだろうか。
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尚書・周官德を作せば心逸んじて日々休く、偽を作せば心勞して日々拙し。
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論語・為政篇子曰く、詩三百、一言以て之を蔽えば、曰く、思い邪(よこしま)無しと。
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孟子・離婁章句上孟子曰く、「下位に居りて、上に獲られざれば、民得て治む可からざるなり。上に獲らるるに道有り。友に信ぜられずんば、上に獲られず。友に信ぜらるるに道有り。親に事えて悅ばれずんば、友に信ぜられず。親に悅ばるるに道有り。身に反して誠ならずんば、親に悅ばれず。身を誠にするに道有り。善に明らかならずんば、其の身に誠ならず。是の故に誠は、天の道なり。誠を思うは、人の道なり。至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり。誠ならずして、未だ能く動かす者有らざるなり。」
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