孔子家語 / 子路初見
子路將行,辭於孔子。子曰:「贈汝以車乎?贈汝以言乎?」子路曰:「請以言。」孔子曰:「不強不達,不勞無功,不忠無親,不信無復,不恭失禮。慎此五者而矣。」子路曰:「由請終身奉之。敢問:親交取親若何?言寡可行若何?長為善士而無犯若何?」孔子曰:「汝所問苞在五者中矣。親交取親,其忠也;言寡可行,其信乎?長為善士,而無犯於禮也。」
新字:子路将行,辞於孔子。子曰:「贈汝以車乎?贈汝以言乎?」子路曰:「請以言。」孔子曰:「不強不達,不労無功,不忠無親,不信無復,不恭失礼。慎此五者而矣。」子路曰:「由請終身奉之。敢問:親交取親若何?言寡可行若何?長為善士而無犯若何?」孔子曰:「汝所問苞在五者中矣。親交取親,其忠也;言寡可行,其信乎?長為善士,而無犯於礼也。」
書き下し
子路将に行かんとし、孔子に辞す。子曰わく、「汝に贈るに車を以てせんか、汝に贈るに言を以てせんか。」子路曰わく、「請う言を以てせん。」孔子曰わく、「強めずんば達せず、労せずんば功無く、忠ならずんば親無く、信ならずんば復無く、恭ならずんば礼を失う。此の五者を慎まんのみ。」子路曰わく、「由請う終身之を奉ぜん。敢えて問う、親交親しみを取るは若何、言寡くして行う可きは若何、長く善士と為りて犯す無きは若何。」孔子曰わく、「汝の問う所苞ねて五者の中に在り。親交親しみを取るは、其れ忠なり。言寡くして行う可きは、其れ信ならんか。長く善士と為るは、礼を犯す無きなり。」
現代語訳
子路が旅立とうとして、孔子に別れの挨拶をした。先生は言った。「お前に車を贈ろうか、それとも言葉を贈ろうか。」子路は言った。「どうか言葉をいただきたく存じます。」先生は言った。「努め励まなければ物事は達成できず、労苦を惜しめば功績は得られず、真心がなければ人に親しまれず、誠実さがなければ人に信頼して任せてもらえず、うやうやしくなければ礼を失う。この五つを慎むこと、それだけだ。」子路は言った。「私は生涯これを守り続けます。あえてお尋ねします。人と交わって親しみを得るにはどうすればよいでしょうか。言葉数を少なくしながらも実行が伴うにはどうすればよいでしょうか。長く立派な士でいて過ちを犯さないためにはどうすればよいでしょうか。」先生は言った。「お前の尋ねたことは、みなあの五つの中に含まれている。人と交わって親しみを得るのは、忠の心によってである。言葉数少なくして実行が伴うのは、信の心によってであろう。長く立派な士でいられるのは、礼を犯さないことによってである。」
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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孔子家語・致思子路孔子に見えて曰わく、「重きを負い遠きを渉るには、地を択ばずして休み、家貧しく親老いては、禄を択ばずして仕う。昔者由や、二親に事うるの時、常に藜藿の実を食らい、親の為に米を負うこと百里の外にす。親歿するの後、南のかた楚に遊ぶ。従車百乗、粟を積むこと万鐘、茵を累ねて坐し、鼎を列ねて食らう。藜藿を食らい、親の為に米を負わんと願欲すれども、復た得可からざるなり。枯魚索に銜まるるは、幾何ぞ蠹せざらん。二親の寿は、忽として隙を過ぐるが若し。」 孔子曰わく、「由や親に事うるは、生きては事えて力を尽くし、死しては事えて思いを尽くす者と謂う可し。」
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孔子家語・始誅孔子魯の司寇と為り、相の事を摂行し、喜色有り。仲由問いて曰く、「由聞く、君子禍至るも懼れず、福至るも喜ばず、と。今夫子位を得て喜ぶは、何ぞや。」孔子曰く、「然り、是の言有るなり。貴を以て人に下るを楽しむと曰わずや。」
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孔子家語・致思子路蒲の宰と為る。水備を為し、其の民と溝瀆を修む。民の労煩苦しむを以て、人に一簞の食、一壺の漿を与う。孔子之を聞き、子貢をして之を止めしむ。 子路忿りて悦ばず、孔子に見えて曰わく、「由や暴雨将に至らんとするを以て、水災有らんことを恐れ、故に民と溝洫を修めて以て之に備う。而して民に匱餓する者多し、是を以て簞食壺漿もて之に与う。夫子賜をして之を止めしむ、是れ夫子由の仁を行うを止むるなり。夫子仁を以て教えて其の行いを禁ず、由受けざるなり。」 孔子曰わく、「汝民を以て餓うと為さば、何ぞ君に白して倉廩を発きて以て之を賑わさざる。而して私に爾の食を以て之に饋る、是れ汝君の恵無きを明らかにし、而して己の徳の美を見わすなり。汝速やかに已めば則ち可なり、然らずんば則ち汝の罪せらるること必せり。」
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史記 仲尼弟子列伝仲由、字は子路、卞の人なり。孔子より少きこと九歳。子路の性は鄙しく、勇力を好み、志は伉直なり。雄鶏を冠し、豭豚を佩び、孔子を陵暴す。孔子、礼を設けて稍く子路を誘ふ。子路後に儒服して質を委し、門人に因りて弟子為るを請ふ。子路、政を問ふ。孔子曰く、「之に先んじ、之を労ふ」と。益さんことを請ふ。曰く、「倦む無かれ」と。子路問ふ、「君子は勇を尚ぶか」と。孔子曰く、「義を之れ上と為す。君子、勇を好みて義無ければ則ち乱し、小人、勇を好みて義無ければ則ち盗す」と。子路、聞くこと有り、未だ之を行ふ能はざれば、唯だ聞くこと有るを恐る。孔子曰く、「片言以て獄を折む可き者は、其れ由なるか」と。「由や勇を好むこと我に過ぐ。材を取る所無し」と。「由の若きや、其の死を得ざらん」と。季康子問ふ、「仲由は仁なるか」と。孔子曰く、「千乗の国、其の賦を治めしむ可し、其の仁なるを知らず」と。
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論語 公冶長篇子曰く、『由や果(あら)し。政に従うに何か有らん。』
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孔子家語・致思子路蒲を治め、見えんことを孔子に請いて曰わく、「由夫子に教えを受けんことを願う。」 子曰わく、「蒲は其れ如何。」 対えて曰わく、「邑壮士多く、又治め難きなり。」 子曰わく、「然り、吾爾に語らん。恭にして敬なれば、以て勇を攝む可し。寛にして正しければ、以て強を懐く可し。愛にして恕なれば、以て困を容る可し。温にして断なれば、以て奸を抑う可し。此くの如くにして之に加うれば、則ち正すこと難からず。」