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後世への最大遺物 / 第二回・著述と教育の二つ

あるいはそうでなくとも、それに似たような事業がございます。すなわち私がこの世の中に生きているあいだに、事業をなすことができなければ、私は青年を薫陶して私の思想を若い人に注いで、そうしてその人をして私の事業をなさしめることができる。すなわちこれを短くいいますれば、著述をするということと学生を教えるということであります。著述をすることと教育のことと二つをここで論じたい。しかしだいぶ時がかかりますからただその第一すなわち思想を遺すということについて私の文学的観察をお話ししたいと思います。すなわちわれわれの思想を遺すには今の青年にわれわれの志を注いでゆくも一つの方法でございますけれども、しかしながら思想そのものだけを遺してゆくには文学によるほかない。

書き下し

あるいはそうでなくとも、それに似たような事業がございます。すなわち私がこの世の中に生きているあいだに、事業をなすことができなければ、私は青年を薫陶して私の思想を若い人に注いで、そうしてその人をして私の事業をなさしめることができる。すなわちこれを短くいいますれば、著述をするということと、学生を教えるということであります。著述をすることと教育のことと、二つをここで論じたい。しかしだいぶ時がかかりますから、ただその第一、すなわち思想を遺すということについて、私の文学的観察をお話ししたいと思います。すなわちわれわれの思想を遺すには、今の青年にわれわれの志を注いでゆくも一つの方法でございますけれども、しかしながら思想そのものだけを遺してゆくには、文学によるほかない。

現代語訳

あるいはそうでなくても、それに似た事業があります。すなわち、私がこの世に生きている間に事業をなせないなら、私は青年を薫陶して自分の思想を若い人に注ぎ、その人に自分の事業をさせることができる。短く言えば、著述をすることと、学生を教えることです。著述と教育の二つをここで論じたい。しかしだいぶ時間がかかりますから、その第一、すなわち思想を遺すことについて、私の文学的な見方をお話ししたいと思います。私たちの思想を遺すには、今の青年に自分の志を注いでいくのも一つの方法ですが、思想そのものだけを遺していくには、文学によるほかありません。

解説

思想を遺す道が二本あることが示されます。書くことと、教えることです。自分ができなかった事業を、若い人に注いでその人にやらせる。これは教育を遺物と見なす発想で、この本が教師に長く読まれてきた理由でもあります。ただし内村は時間の都合で著述のほうだけを論じると断る。結果として教育論は展開されませんが、二本あると示したことに意味があります。書けない人にも、人を育てるという道が残されているからです。

この章句が説くこと

著述教育思想継承青年

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