孝経 / 廣揚名章第十四
子曰:「君子之事親孝、故忠可移於君、事兄悌、故順可移於長、居家理、故治可移於官。是以行成於內、而名立於後世矣。」
新字:子曰:「君子之事親孝、故忠可移於君、事兄悌、故順可移於長、居家理、故治可移於官。是以行成於内、而名立於後世矣。」
書き下し
子曰く、「君子の親に事うるに孝なり、故に忠は君に移すべし。兄に事うるに悌なり、故に順は長に移すべし。家に居りて理まる、故に治は官に移すべし。是を以て行いは内に成りて、名は後世に立つ」。
現代語訳
孔子が言った。「君子は親に仕えて孝であるから、その忠は君に向けて移すことができる。兄に仕えて悌であるから、その従順さは年長者に向けて移すことができる。家にあってよく治まっているから、その治める力は役所へ移すことができる。だから行いは家の内で完成し、名は後の世に立つのである」。
解説
「行いは内に成りて、名は後世に立つ」——外で名を成す力は、家の内ですでに出来上がっているという主張である。孝が忠に、悌が順に、家の治まりが官の治まりに、そのまま移る。同じ能力の適用先が変わるだけだ、と。とすれば家が治まっていない者に組織を治められる道理はない、ということにもなる。大学の「家を斉えて後に国治まる」と同じ構図で、孝経はそれを人材評価の話として述べている。派手な外での実績より、日常の内側で何ができているかを見よ、という読み方ができる。
この章句が説くこと
忠は君に移すべし行いは内に成る名は後世に立つ家に居りて理まる孝
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