孝経 / 五刑章第十一
子曰:「五刑之屬三千、而罪莫大於不孝。要君者、無上、非聖人者、無法、非孝者、無親、此大亂之道也。」
新字:子曰:「五刑之属三千、而罪莫大於不孝。要君者、無上、非聖人者、無法、非孝者、無親、此大乱之道也。」
書き下し
子曰く、「五刑の属三千にして、罪、不孝より大なるは莫し。君を要する者は上無し、聖人を非る者は法無し、孝を非る者は親無し。これ大乱の道なり」。
現代語訳
孔子が言った。「五つの刑罰に属する罪目は三千あるが、不孝より大きな罪はない。君主に無理強いをする者は、上を認めていない。聖人をそしる者は、法を認めていない。孝をそしる者は、親を認めていない。これが大いなる乱れの道である」。
解説
三千の罪目のうち、不孝を最大とする。理由は続く三句にある。君に強要する者は上という存在を認めていない、聖人を否定する者は法という枠組みを認めていない、孝を否定する者は親という関係を認めていない。いずれも個々の悪事ではなく、関係そのものを無いことにする態度である。だから大乱の道だ、と。個別の違反より、前提を壊す態度のほうが重い、という罪の測り方をしている。組織で言えば、規則違反より、規則という仕組み自体を認めない態度のほうが深刻だということになる。短い章だが、孝経の中で最も強い断定が置かれている。
この章句が説くこと
五刑の属三千不孝より大なるは莫し要君無上大乱の道教化刑罰
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