近思録 / 巻12 警戒
明道先生曰:富貴驕人、固不善、學問驕人、害亦不細。
新字:明道先生曰:富貴驕人、固不善、学問驕人、害亦不細。
書き下し
明道先生曰く、富貴もて人に驕るは、固より善からず。学問もて人に驕るは、害も亦た細ならず。
現代語訳
程顥先生が言う。富や地位をもって人に驕るのは、もとよりよくない。学問をもって人に驕るのは、その害もまた小さくない。
解説
三十字に満たない一条だが、刺さる相手がはっきりしている。富や地位で驕るのが悪いのは誰でも分かる。だが学問で驕るのも同じだ、しかも害は小さくない、と。学ぶことを勧める書物の中に、学んだ者への戒めが置かれているところが近思録らしい。知識は本来、驕りを減らすためのものなのに、しばしば新しい驕りの材料になる。しかも学問の驕りは、本人にとって正当な優越に見えるぶん、自覚しにくい。同じ巻十二には「人を教える者」への戒めも並んでおり、教える立場に立った者ほど読み返す価値がある。
この章句が説くこと
学問もて人に驕る富貴もて人に驕る害も亦た細ならず警戒謙虚さ
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