近思録 / 巻2 為学
爲學大益、在自求變化氣質。不爾、皆爲人之弊、卒無所發明、不得見聖人之奧。
新字:為学大益、在自求変化気質。不爾、皆為人之弊、卒無所発明、不得見聖人之奥。
書き下し
学を為すの大益は、自ら気質を変化するを求むるに在り。爾らざれば、皆な人の為にするの弊にして、卒に発明する所無く、聖人の奥を見るを得ず。
現代語訳
学問の最大の効き目は、自分の気質を変えることを自ら求めるところにある。そうでなければ、すべて人のためにする学びの弊に陥り、けっきょく何も明らかにならず、聖人の深いところを見ることはできない。
解説
学問の効果を「変化気質」の一点に置いた張載の言葉である。知識が増えることでも、議論が達者になることでもない。自分の生まれつきの気質そのものが変わること——それが学問の最大の益だ、と。しかも「自ら求むる」と条件が付く。外から矯正されるのではなく、本人が変えようとしなければ起きない。そうでなければすべて為人の学の弊に落ちる、と巻二の主題に戻る。学んだ結果を測る物差しとして、これは厳しい。何を知ったかではなく、どう変わったかで測られるからである。
この章句が説くこと
変化気質学を為すの大益自ら求む為人の弊学問
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