鬼谷子 / 持枢
持樞、謂春生夏長、秋収冬藏、天之正也、不可干而逆之。逆之者、雖成必敗。故人君亦有天樞、生養成藏、亦不可干而逆之。逆之者、雖盛必衰、此天道人君之大綱也。
新字:持枢、謂春生夏長、秋収冬蔵、天之正也、不可干而逆之。逆之者、雖成必敗。故人君亦有天枢、生養成蔵、亦不可干而逆之。逆之者、雖盛必衰、此天道人君之大綱也。
書き下し
持樞とは、春に生じ夏に長じ、秋に収め冬に藏するを謂う。天の正なり。干して之に逆らうべからず。之に逆らう者は、成ると雖も必ず敗る。故に人君にも亦た天樞有り。生養成藏、亦た干して之に逆らうべからず。之に逆らう者は、盛んなりと雖も必ず衰う。此れ天道人君の大綱なり。
現代語訳
持枢とは、春に生じ、夏に長じ、秋に収め、冬に蔵することをいう。天の正しいすじみちである。これを犯して逆らってはならない。逆らう者は、成し遂げたとしても必ず敗れる。だから君主にもまた天のかなめがある。生み、養い、成し、蔵する。これもまた犯して逆らってはならない。逆らう者は、盛んであっても必ず衰える。これが天の道であり、君主の大綱である。
解説
わずか七十五字の一篇です。生養成蔵の四つの季節を、君主の仕事の四段階に重ねます。生み、養い、成し、そして蔵する。最後の「蔵」が抜けやすい。生んで育てて成果を出すところまでは誰でも考えますが、収めて蔵に納めることを工程として持っている経営者は多くありません。成長を続ければ良いと考えると、冬が無い。そして「之に逆らう者は、盛んなりと雖も必ず衰う」——順序に逆らえば、盛んなときほど後で衰える。持枢とは、かなめを持って離さないことです。
この章句が説くこと
春に生じ夏に長じ秋に収め冬に蔵す生養成蔵天道人君の大綱循環順序時機
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