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鬼谷子 / 決篇

於是度之往事、驗之來事、參之平素、可則決之。王公大人之事也、危而美名者、可則決之、不用費力而易成者、可則決之、用力犯勤苦、然不得已而爲之者、可則決之、去患者、可則決之、從福者、可則決之。故夫決情定疑、萬事之基。以正治亂、決成敗、難爲者。故先王乃用蓍龜者、以自決也。

新字:於是度之往事、験之来事、参之平素、可則決之。王公大人之事也、危而美名者、可則決之、不用費力而易成者、可則決之、用力犯勤苦、然不得已而為之者、可則決之、去患者、可則決之、従福者、可則決之。故夫決情定疑、万事之基。以正治乱、決成敗、難為者。故先王乃用蓍亀者、以自決也。

書き下し

是に於いて之を往事に度り、之を來事に驗し、之を平素に參え、可なれば則ち之を決す。王公大人の事や、危うくして美名なる者は、可なれば則ち之を決す。力を費やすを用いずして成り易き者は、可なれば則ち之を決す。力を用い勤苦を犯し、然れども已むを得ずして之を爲す者は、可なれば則ち之を決す。患いを去る者は、可なれば則ち之を決す。福に從う者は、可なれば則ち之を決す。故に夫れ情を決し疑いを定むるは、萬事の基なり。以て亂を治め、成敗を決するは、爲し難き者なり。故に先王は乃ち蓍龜を用うる者、以て自ら決するなり。

現代語訳

そこで、過ぎた事に照らして測り、これから来る事で験し、平素のありようと突き合わせ、可であればこれを決する。王公や大人の事において、危ういけれども美しい名が残るものは、可であればこれを決する。力を費やさずに成りやすいものは、可であればこれを決する。力を用い苦労を冒し、それでもやむを得ず行うものは、可であればこれを決する。患いを取り除くものは、可であればこれを決する。福に従うものは、可であればこれを決する。だから、実情を決し疑いを定めることは、万事の土台である。それによって乱れを治め、成否を決するのは、行いがたいことである。だから先王は筮竹と亀甲を用いた。それによって自ら決するためである。

解説

決断の材料が三つ示されます。過去の事例、これから来ることの検証、そして平素のありよう。過去と未来だけでなく、日ごろの状態を突き合わせるところが特徴的です。そして決してよい案件の型が五つ挙げられる。危ういが名が残る、労せず成る、苦しいがやむを得ない、患いを除く、福に従う。三つ目が興味深い。苦労するがやむを得ないものも、決してよいとされている。楽な案件だけを選ぶのではない、という現実感です。最後の一句も味わい深く、先王が占いを用いたのは、神意を知るためではなく「自ら決するため」だとされています。

この章句が説くこと

往事に度り来事に験し平素に参う情を決し疑いを定むるは万事の基決断判断準備

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