鬼谷子 / 反応篇
動作言默、與此出入、喜怒由此以見其式。皆以先定爲之法則、以反求覆、觀其所託、故用此者。己欲平靜、以聽其辭、察其事、論萬物、別雄雌。
新字:動作言黙、与此出入、喜怒由此以見其式。皆以先定為之法則、以反求覆、観其所託、故用此者。己欲平静、以聴其辞、察其事、論万物、別雄雌。
書き下し
動作言默、此と出入を與にし、喜怒此に由りて以て其の式を見る。皆な先ず定むるを以て之が法則と爲す。反を以て覆を求め、其の託する所を觀る。故に此を用うる者は、己平靜ならんと欲し、以て其の辭を聽き、其の事を察し、萬物を論じ、雄雌を別つ。
現代語訳
動くことも言うことも黙ることも、これとともに出入りし、喜びも怒りもここから、その型が見えてくる。どれも、あらかじめ定めておくことを法則とする。逆にすることで返りを求め、相手が何に託しているかを観る。だからこの術を用いる者は、自分が平静であろうとし、それによって相手の言葉を聴き、その事を察し、万物を論じ、雄と雌を分ける。
解説
「皆な先ず定むるを以て之が法則と爲す」——その場で判断せず、あらかじめ決めておく。この一句が反応篇の実務的な結論です。相手の言葉に反応してから考えると、必ず後手になる。何を聴いたらどう返すかを事前に決めておくから、平静でいられる。そして平静であることが、聴くための条件になっています。順序が明確です。事前に決める→平静でいられる→聴ける→察せられる。交渉の準備を「言うことの準備」だと思っている人は多いのですが、この書によれば、準備すべきは聴いたあとの動き方のほうです。
この章句が説くこと
皆な先ず定むるを法則と為す己平静ならんと欲す準備平常心傾聴判断
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