鬼谷子 / 抵巇篇
抵巇之隙、爲道術用。天下紛錯、上無明主、公侯無道徳、則小人讒賊、賢人不用、聖人竄匿、貪利詐僞者作、君臣相惑、土崩瓦解而相伐射、父子離散、乖亂反目、是謂萌牙巇罅。
新字:抵巇之隙、為道術用。天下紛錯、上無明主、公侯無道徳、則小人讒賊、賢人不用、聖人竄匿、貪利詐偽者作、君臣相惑、土崩瓦解而相伐射、父子離散、乖乱反目、是謂萌牙巇罅。
書き下し
抵巇の隙は、道術の用と爲す。天下紛錯し、上に明主無く、公侯に道徳無ければ、則ち小人讒賊し、賢人用いられず、聖人竄匿し、利を貪り詐僞する者作る。君臣相い惑い、土崩瓦解して相い伐射し、父子離散し、乖亂反目す。是を萌牙巇罅と謂う。
現代語訳
ひび割れの隙間は、道術の用いどころとなる。天下が乱れ、上に明るい君主がなく、公侯に道徳がなければ、小人が讒言して害をなし、賢者は用いられず、聖人は逃げ隠れ、利をむさぼり偽る者が現れる。君臣は互いに疑い、土が崩れ瓦が解けるように互いに攻め合い、父子は離れ散り、そむき乱れて反目する。これを、芽生えたひび割れという。
解説
崩壊のきざしが具体的に列挙されます。讒言する者が幅を利かせる、有能な人が使われない、まともな人が身を隠す、利をむさぼる者が現れる、互いに疑う。組織の診断項目としてそのまま使えます。とくに「賢人用いられず、聖人竄匿す」の二つは早い段階で現れる指標です。優秀な人が使われず、まともな人が目立たないように振る舞いはじめたら、そこから先は速い。土崩瓦解は最後に来る現象であって、きざしはもっと前に、人の配置と振る舞いに出ています。
この章句が説くこと
賢人用いられず聖人竄匿す土崩瓦解萌牙巇罅兆候組織崩壊危機管理
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