鬼谷子 / 捭闔篇
捭闔之道、以隂陽試之。故與陽言者、依崇高、與隂言者、依卑小。以下求小、以高求大。由此言之、無所不出、無所不入、無所不可。
新字:捭闔之道、以陰陽試之。故与陽言者、依崇高、与陰言者、依卑小。以下求小、以高求大。由此言之、無所不出、無所不入、無所不可。
書き下し
捭闔の道は、隂陽を以て之を試む。故に陽と言う者には、崇高に依り、隂と言う者には、卑小に依る。下を以て小を求め、高を以て大を求む。此に由りて之を言えば、出でざる所無く、入らざる所無く、可ならざる所無し。
現代語訳
開閉の道は、陰陽によってこれを試みる。だから陽の側にいる相手と語るときは、高く大きなものに寄せる。陰の側にいる相手と語るときは、低く小さなものに寄せる。低いところからは小さなものを求め、高いところからは大きなものを求める。こうして言えば、出ていけないところがなく、入れないところがなく、通らないところがない。
解説
相手が上向きの局面にいるなら大きな話をし、下向きの局面にいるなら小さく具体的な話をする。相手の状態に合わせて話の高さを変える、というだけのことですが、守れている人は多くありません。業績が伸びている相手にリスクの細部を並べても届かず、追い込まれている相手に壮大なビジョンを語っても届かない。しかも自分の得意な高さで話しがちです。ビジョンを語るのが得意な人は、相手の局面に関係なくビジョンを語ります。高さを相手に合わせられるかどうかが、通る話と通らない話を分けます。
この章句が説くこと
陽には崇高に依り陰には卑小に依る説得相手に合わせる交渉見極め
関連する章句
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『鬼谷子』捭闔篇以て人を說くべく、以て家を說くべく、以て國を說くべく、以て天下を說くべし。小を爲すには内無く、大を爲すには外無し。益損、去就、倍反、皆な隂陽を以て其の事を御す。陽は動きて行き、隂は止まりて藏す。陽は動きて出で、隂は隱れて入る。陽は還りて隂に終わり、隂は極まりて陽に反る。陽を以て動く者は、徳相い生ずるなり。隂を以て靜かなる者は、形相い成るなり。陽を以て隂を求むるは、苞むに徳を以てするなり。隂を以て陽を結ぶは、施すに力を以てするなり。隂陽相い求むるは、捭闔に由るなり。此れ天地隂陽の道にして、人を說くの法なり。萬事の先と爲す。是を圓方の門戶と謂う。
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『鬼谷子』捭闔篇故に捭く者は、或いは捭きて之を出だし、或いは捭きて之を納る。闔ずる者は、或いは闔じて之を取り、或いは闔じて之を去る。捭闔は、天地の道なり。捭闔は、以て隂陽、四時の開閉を變動し、以て萬物を化す。縱橫、反出、反覆、反忤、必ず此に由る。捭闔は、道の大化、說の變なり。必ず豫め其の變化を審らかにす。吉凶大命焉に繫る。
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『鬼谷子』捭闔篇有無と其の實虛とを審定し、其の嗜欲に隨いて、以て其の志意を見る。㣲かに其の言う所を排して之を捭反し、以て其の實を求め、其の指を得るを貴ぶ。闔じて之を捭き、以て其の利を求む。或いは開きて之を示し、或いは闔じて之を閉ざす。開きて之を示すは、其の情を同じくすればなり。闔じて之を閉ざすは、其の誠を異にすればなり。可と不可と、其の計謀を審らかに明らかにし、以て其の同異を原ぬ。
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『鬼谷子』捭闔篇捭く者は、開くなり、言うなり、陽なり。闔ずる者は、閉ざすなり、黙するなり、隂なり。隂陽其れ和し、終始其れ義あり。故に長生・安樂・富貴・尊榮・顯名・愛好・財利・得意・喜欲を言うは、陽と爲し、始めと曰う。故に死亡・憂患・貧賤・苦辱・棄損・亡利・失意・有害・刑戮・誅罰を言うは、隂と爲し、終わりと曰う。諸々の陽の類に法るを言う者は、皆な始めと曰い、善を言いて以て其の事を始む。諸々の隂の類に法るを言う者は、皆な終わりと曰い、惡を言いて以て其の謀を終う。
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『鬼谷子』捭闔篇離合に守る有り、先ず其の志に從う。即ち之を捭かんと欲せば、周きを貴び、即ち之を闔じんと欲せば、密なるを貴ぶ。周密の貴きは㣲なり、而して道と相い追う。捭く者は、其の情を料るなり、闔ずる者は、其の誠を結ぶなり。皆な其の權𢖍の輕重を見て、乃ち之が度數を爲す。聖人因りて之が慮を爲す。其の權𢖍度數に中らざれば、聖人因りて自ら之が慮を爲す。
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『鬼谷子』捭闔篇變化窮まり無く、各々歸する所有り。或いは隂或いは陽、或いは柔或いは剛、或いは開き或いは閉じ、或いは弛み或いは張る。是の故に聖人は一に其の門戶を守司し、其の先後する所を審察し、權を度り能を量り、其の伎巧の短長を校ぶ。夫れ賢不肖、智愚、勇怯、仁義に差有り。乃ち捭くべく、乃ち闔ずべく、乃ち進むべく、乃ち退くべく、乃ち賤しむべく、乃ち貴ぶべし。無爲にして以て之を牧す。