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鬼谷子 / 捭闔篇

可以說人、可以說家、可以說國、可以說天下。爲小無內、爲大無外。益損、去就、倍反、皆以隂陽御其事。陽動而行、隂止而藏、陽動而出、隂隱而入、陽還終隂、隂極反陽。以陽動者、徳相生也、以隂靜者、形相成也。以陽求隂、苞以徳也、以隂結陽、施以力也。隂陽相求、由捭闔也。此天地隂陽之道、而說人之法也。爲萬事之先、是謂圓方之門戶。

新字:可以説人、可以説家、可以説国、可以説天下。為小無内、為大無外。益損、去就、倍反、皆以陰陽御其事。陽動而行、陰止而蔵、陽動而出、陰隠而入、陽還終陰、陰極反陽。以陽動者、徳相生也、以陰静者、形相成也。以陽求陰、苞以徳也、以陰結陽、施以力也。陰陽相求、由捭闔也。此天地陰陽之道、而説人之法也。為万事之先、是謂円方之門戸。

書き下し

以て人を說くべく、以て家を說くべく、以て國を說くべく、以て天下を說くべし。小を爲すには内無く、大を爲すには外無し。益損、去就、倍反、皆な隂陽を以て其の事を御す。陽は動きて行き、隂は止まりて藏す。陽は動きて出で、隂は隱れて入る。陽は還りて隂に終わり、隂は極まりて陽に反る。陽を以て動く者は、徳相い生ずるなり。隂を以て靜かなる者は、形相い成るなり。陽を以て隂を求むるは、苞むに徳を以てするなり。隂を以て陽を結ぶは、施すに力を以てするなり。隂陽相い求むるは、捭闔に由るなり。此れ天地隂陽の道にして、人を說くの法なり。萬事の先と爲す。是を圓方の門戶と謂う。

現代語訳

これによって人を説くことができ、家を説くことができ、国を説くことができ、天下を説くことができる。小さくしようとすれば内側がないほど小さくでき、大きくしようとすれば外側がないほど大きくできる。増やすか減らすか、去るか就くか、背くか返るか、みな陰陽によってその事を御する。陽は動いて行き、陰は止まって蔵する。陽は動いて出て、陰は隠れて入る。陽はめぐって陰に終わり、陰は極まって陽に返る。陽によって動く者は、徳が互いに生じる。陰によって静かな者は、形が互いに成る。陽によって陰を求めるのは、徳で包むことである。陰によって陽を結ぶのは、力を施すことである。陰と陽が互いに求め合うのは、開閉によるのである。これが天地陰陽の道であり、人を説く法である。万事の先とする。これを円と方の門戸という。

解説

同じ一つの技術が、人ひとりにも、家にも、国にも、天下にも使える。規模の上限も下限もない、と言い切ります。そして陽と陰の循環が説明されます。陽はめぐって陰に終わり、陰は極まって陽に返る。押し続ければいつか止まり、止まり続ければいつか動く。だから、いま押している局面がいつまでも続かないことを前提に手を打つ。捭闔篇の結びは「万事の先」——何をするにも、まずこれを置け、ということです。交渉術の本の第一章が、押し引きの手口ではなく、押しと引きが必ず入れ替わるという構造の説明で終わっているのは、示唆的です。

この章句が説くこと

陽は動きて行き陰は止まりて蔵す陽極まりて陰に反る循環交渉主導権時機

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