管子 / 輕重己
凡在趣耕而不耕,民以不令,不耕之害也。宜芸而不芸,百草皆存,民以僅存,不芸之害也。宜穫而不穫,風雨將作,五榖以削,士民零落,不穫之害也。宜藏而不藏,霧氣陽陽,宜死者生,宜蟄者鳴,不藏之害也。張耜當弩,銚耨當劒㦸穫渠當脅蓑笠當栐櫓。故耕械具則戰械備矣。
新字:凡在趣耕而不耕,民以不令,不耕之害也。宜芸而不芸,百草皆存,民以僅存,不芸之害也。宜穫而不穫,風雨将作,五榖以削,士民零落,不穫之害也。宜蔵而不蔵,霧気陽陽,宜死者生,宜蟄者鳴,不蔵之害也。張耜当弩,銚耨当劒㦸穫渠当脅蓑笠当栐櫓。故耕械具則戦械備矣。
書き下し
凡そ耕を趣すに在りて耕さざれば、民は以て令せず、耕さざるの害なり。芸すべくして芸せざれば、百草皆な存し、民は以て僅かに存す、芸せざるの害なり。穫るべくして穫らざれば、風雨將に作らんとし、五榖以て削られ、士民零落す、穫らざるの害なり。藏すべくして藏せざれば、霧氣陽陽として、死すべき者生き、蟄すべき者鳴く、藏せざるの害なり。耜を張るは弩に當たり、銚耨は劒㦸に當たり、穫渠は脅に當たり、蓑笠は栐櫓に當たる。故に耕械具われば則ち戰械備わるなり。
現代語訳
耕作を急がせるべきときに耕さなければ、民は令に従わなくなる。これが耕さないことの害である。草を取るべきときに取らなければ、あらゆる雑草がそのまま残り、民はかろうじて生きるだけになる。これが草を取らないことの害である。刈るべきときに刈らなければ、風雨が起ころうとして五穀は削られ、人々は落ちぶれる。これが刈らないことの害である。収めるべきときに収めなければ、霧が立ちこめて陽気が乱れ、死ぬべきものが生き、冬ごもりすべきものが鳴く。これが収めないことの害である。鋤を張るのは弩にあたり、鍬や草かきは剣や戟にあたり、刈り取りの道具は身を守る具にあたり、蓑と笠は楯にあたる。だから耕す道具が揃えば、戦う道具も備わっているのである。
解説
管子の最後の章です。耕すべきときに耕さず、草を取るべきときに取らず、刈るべきときに刈らず、収めるべきときに収めない。四つの害を並べたあと、農具を武具に一つずつ重ねていきます。鋤は弩、鍬は剣と戟、蓑笠は楯。だから農具が揃えば武具も揃う。全篇を締めくくるのが、この一行でした。
この章句が説くこと
耕を趣すに在りて耕さざれば民は以て令せず穫るべくして穫らざれば五榖以て削られ士民零落す耜を張るは弩に当たり銚耨は劒㦸に当たる耕械具われば則ち戦械備わるなり農事時期
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