管子 / 輕重己
以秋日至始,數四十六日,秋盡而冬始。天子服黒絻黒而靜處,朝諸侯卿大夫列士,循於百姓,發號出令曰:「毋行大火,毋斬大山,毋塞大水,毋犯天之隆。」天子之冬禁也。以秋日至始,數九十二日,天子北出九十二里而壇,服黒而絻黒朝諸侯卿大夫列士,號曰發繇。趣山人斷伐,具械器。趣菹人薪雚葦,足蓄積。三月之後,皆以其所有易其所無,謂之大通三月之蓄。
新字:以秋日至始,数四十六日,秋尽而冬始。天子服黒絻黒而静処,朝諸侯卿大夫列士,循於百姓,発号出令曰:「毋行大火,毋斬大山,毋塞大水,毋犯天之隆。」天子之冬禁也。以秋日至始,数九十二日,天子北出九十二里而壇,服黒而絻黒朝諸侯卿大夫列士,号曰発繇。趣山人断伐,具械器。趣菹人薪雚葦,足蓄積。三月之後,皆以其所有易其所無,謂之大通三月之蓄。
書き下し
秋の日至を以て始め、四十六日を數うれば、秋盡きて冬始まる。天子黒を服し黒を絻りて靜かに處り、諸侯卿大夫列士に朝し、百姓に循い、號を發し令を出だして曰く、「大火を行う毋かれ、大山を斬る毋かれ、大水を塞ぐ毋かれ、天の隆きを犯す毋かれ」と。天子の冬禁なり。秋の日至を以て始め、九十二日を數うれば、天子北のかた出づること九十二里にして壇し、黒を服して黒を絻り、諸侯卿大夫列士に朝し、號して發繇と曰う。山人を趣して斷伐し、械器を具えしむ。菹人を趣して雚葦を薪とし、蓄積を足らしむ。三月の後、皆な其の有る所を以て其の無き所に易う、之を大通三月の蓄えと謂う。
現代語訳
秋の中日から数えて四十六日、秋が尽きて冬が始まる。天子は黒い衣を着て黒い冠をかぶり静かに居り、諸侯や卿大夫や列士に会い、民を見て回り、令を出して言う。大きな火を使うな。大きな山を削るな。大きな水をせき止めるな。天の高さを犯すな、と。これが天子の冬の禁である。秋の中日から数えて九十二日、天子は北へ九十二里出て壇を築き、黒い衣を着て黒い冠をかぶり、諸侯や卿大夫や列士に会い、これを賦役を起こすと呼ぶ。山の民を急がせて木を伐らせ、道具を揃えさせる。沢の民を急がせて葦や荻を薪とし、蓄えを満たさせる。三か月ののち、みな持っているもので持っていないものと換える。これを、あまねく通じる三か月の蓄えという。
解説
この章句が説くこと
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『管子』輕重己冬の日至を以て始め、九十二日を數うる、之を春至と謂う。天子其の國を東に出づること九十二里にして壇し、諸侯卿大夫列士に朝し、百姓に循い、號して祭星と曰う。十日の内、室に處女無く、路に行人無し。茍しくも樹藝せざる者は、之を賊人と謂う。下は之を地に作し、上は之を天に作す、之を不服の民と謂う。里に處れば下陳と為し、師に處れば下通と為す、之を役夫と謂う。三たび樹えずして主之を使う。天子の春令なり。春の日至を以て始め、四十六日を數うれば、春盡きて夏始まる。天子黄を服して靜かに處り、諸侯卿大夫列士に朝し、百姓に循い、號を發し令を出だして曰く、「大衆を聚むる毋かれ、大火を行う毋かれ、大木を斷つ毋かれ、大臣を誅する毋かれ、大山を斬る毋かれ、大衍を戮する毋かれ。三大を滅ぼせば國に害有るなり」と。天子の夏禁なり。
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『管子』輕重己夏の日至を以て始め、九十二日を數うる、之を秋至と謂い、秋至りて禾熟す。天子太惢に祀り、西のかた其の國を出づること百三十八里にして壇し、白を服して白を絻り、玉總を搢み錫監を帶び、塤箎の風鑿を吹き、金石の音を動かし、諸侯卿大夫列士に朝し、百姓に循い、號して祭月と曰い、犧牲は彘を以てす。號を發し令を出だし、罰して賞する勿かれ、奪いて予うる勿かれ。罪獄は誅して生かす勿かれ。歳を終うるの罪は、赦す所有る毋かれ。衍を作し牛馬の實、野に在る者は王とす。天子の秋計なり。
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呂氏春秋・孟冬④是の月や、天子始めて裘す。有司に命じて曰く、「天氣上騰し、地氣下降し、天地通ぜず、閉じて冬を成せ。」百官に命じて、謹んで蓋藏せしむ。司徒に命じて、積聚を循行し、斂めざる有ること無からしむ。城郭を坿し、門閭を戒め、楗閉を修め、關籥を慎み、封璽を固くす。邊境に備え、要塞を全くし、關梁を謹み、蹊徑を塞ぐ。喪紀を飭え、衣裳を辧ち、棺槨の厚薄を審らかにし、丘壟に小大高卑薄厚の度、貴賤の等級を營る。
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『管子』幼官冬に秋の政を行えば霧あり、夏の政を行えば雷あり、春の政を行えば烝泄あり。十二日にして始寒、刑を盡くす。十二日にして小榆、賜予す。十二日にして中寒、收聚す。十二日にして中榆、大いに收む。十二日にして寒至り、静かなり。十二日にして大寒の陰、十二日にして大寒終わり、三寒事を同じくす。六行の時節、君は黑色を服し、鹹味を味わい、徵聲を聽き、陰氣を治め、六數を用い、黑后の井に飲み、鱗獸の火を以て㸑ぐ。慈厚を藏し、薄純を行い、坦氣修まり通ず。凡そ物開き静かにして、形生じ理まる。器は僇に成り、教は鈔に行われ、動静記さず、行止量無し。戒めて四時を審らかにし以て息を別ち、出入を異にして以て兩つながら易え、養生を明らかにして以て固を解き、取予を審らかにして以て之を總ぶ。
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『管子』輕重己清神は心を生じ、心は規を生じ、規は矩を生じ、矩は方を生じ、方は正を生じ、正は厯を生じ、厯は四時を生じ、四時は萬物を生ず。聖人因りて之を理む、道徧し。冬の日至を以て始め、四十六日を數うれば、冬盡きて春始まる。天子其の國を東に出づること四十六里にして壇し、青を服して青を絻り、玉總を搢み玉監を帶び、諸侯卿大夫列士に朝し、百姓に循い、號して祭日と曰い、犧牲は魚を以てす。令を發出して曰く、「生かして殺す勿かれ、賞して罰する勿かれ。罪獄は斷ずる勿かれ、以て期年を待て」と。民に教えて室を樵り鐩を鑽り、竈を墐り井を泄えしむるは、民を夀くする所以なり。耜・耒・耨、鉊・鈶を懷き、又た權渠・繉を㩖つは春夏の事を御する所以なり、必ず具う。民に教えて酒食を為らしむるは、孝敬を為す所以なり。民生まれて父母無き、之を孤子と謂う。妻無く子無き、之を老鰥と謂う。夫無く子無き、之を老寡と謂う。此の三人なる者は皆な官に就き、而して衆の事とすべき者事とすべからざる者は、食らわしむること言の如くにして遺す勿かれ。多き者を功と為し、寡なき者を罪と為す、是を以て路に行乞する者無きなり。路に行乞する者有らば、則ち相の罪なり。天子の春令なり。
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『管子』度地夏三月に當たりては、天地の氣壯んに、大暑至り、萬物榮華す。以て疾く草薉を殺すに利あり、令をして擾さんと欲せざらしむ、命じて不長と曰う。土功の事を作すに利あらず、農に放かしむ。利皆な十分の五を耗し、土功成らず。秋三月に當たりては、山川百泉踊り、雨降り下り、山水出で、海路距たり、雨露屬き、天地湊汐す。以て疾く作して収斂し留むる毋きに利あり。一日に把れば、百日に餔らう。民男女と無く、皆な野に行く。土功の事を作すに利あらず。濡濕日に生じ、土弱くして成り難く、利は什分の六を耗し、土工の事も亦た立たず。冬三月に當たりては、天地閉藏し、暑雨止み、大寒起こり、萬物實り熟す。以て空郄を填塞し、邊城を繕い、郭術を塗り、度量を平らかにし、權衡を正し、牢獄を虚しくし、廥倉を實たすに利あり。君は樂を修め、神明と相望む。凡そ一年の事畢わる。功有るを舉げ、賢を賞し、罪有るを罰し、有司の吏を遷して之を第す。土工の事を作すに利あらず、利は什分の七を耗し、土剛くして立たず。晝日に益々短く、夜日に益々長し、以て室を作すに利あり、以て堂を作すに利あらず。四時以て得れば、四害皆な服す。」