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管子 / 禁藏

夫為國之本,得天之時而為經,得人之心而為紀。法令為維綱,吏為網罟,什伍以為行列,賞誅為文武。繕農具當器械,耕農當攻戰,推引銚耨以當劎㦸被蓑以當鎧鑐,葅笠以當盾櫓。故耕器具則戰器備,農事習則功戰巧矣。當春三月,萩室熯造,鑚燧易火,杼井易水,所以去兹毒也。舉春,祭塞久禱,以魚為牲,以蘖為酒,相召,所以屬親戚也。毋殺畜生,毋拊卵,毋伐木,毋夭英,毋拊竿,所息百長也。賜鰥寡,振孤獨,貸無種,與無賦,所以勸弱民。

新字:夫為国之本,得天之時而為経,得人之心而為紀。法令為維綱,吏為網罟,什伍以為行列,賞誅為文武。繕農具当器械,耕農当攻戦,推引銚耨以当劎㦸被蓑以当鎧鑐,葅笠以当盾櫓。故耕器具則戦器備,農事習則功戦巧矣。当春三月,萩室熯造,鑚燧易火,杼井易水,所以去茲毒也。舉春,祭塞久禱,以魚為牲,以蘖為酒,相召,所以属親戚也。毋殺畜生,毋拊卵,毋伐木,毋夭英,毋拊竿,所息百長也。賜鰥寡,振孤独,貸無種,与無賦,所以勧弱民。

書き下し

夫れ國を為むるの本は、天の時を得て經と為し、人の心を得て紀と為す。法令を維綱と為し、吏を網罟と為し、什伍以て行列と為し、賞誅を文武と為す。農具を繕うは器械に當たり、耕農は攻戰に當たり、銚耨を推し引くは以て劎㦸に當たり、蓑を被るは以て鎧鑐に當たり、葅笠は以て盾櫓に當たる。故に耕器具われば則ち戰器備わり、農事習えば則ち功戰巧みなり。春三月に當たりては、室を萩し造を熯し、燧を鑚りて火を易え、井を杼りて水を易う、兹毒を去る所以なり。春を舉げ、祭りて久禱を塞ぎ、魚を以て牲と為し、蘖を以て酒と為し、相召く、親戚を屬ぬる所以なり。畜生を殺す毋かれ、卵を拊つ毋かれ、木を伐る毋かれ、英を夭す毋かれ、竿を拊つ毋かれ、百長を息わしむる所なり。鰥寡に賜い、孤獨を振い、種無きに貸し、賦無きに與うるは、弱民を勸むる所以なり。

現代語訳

国を治める本は、天の時を得てそれを経とし、人の心を得てそれを紀とすることである。法令を綱とし、役人を網とし、什伍を行列とし、賞と誅を文と武とする。農具を繕うのは器械にあたり、耕すことは攻め戦うことにあたり、鋤や鍬を押し引くのは剣や戟にあたり、蓑を着るのは鎧にあたり、菅笠は盾にあたる。だから耕す道具が揃えば戦う道具も備わり、農の仕事に慣れれば戦の働きも巧みになる。春三月にあたっては、部屋を掃き竈を乾かし、きりもみで火を改め、井戸をさらって水を改める。害となる気を去るためである。春を挙げ、祭って長い祈りを納め、魚をいけにえとし、蘖で酒を造り、互いに招き合う。親族をつなぐためである。家畜を殺さず、卵をつつかず、木を伐らず、若い花を落とさず、竿を打たない。あらゆる育つものを休ませるためである。やもめに賜り、身寄りのない者を助け、種のない者に貸し、賦のない者に与えるのは、弱い民を励ますためである。

解説

農具と武具を並べる書き方が目を引きます。鋤や鍬は剣や戟にあたり、蓑は鎧、菅笠は盾。だから耕す道具が揃えば戦う道具も備わる、と。備えを別立てにしないという考え方でした。そのあとは春の行事で、火を改め水を改め、育つものを休ませ、弱い者に貸し与える。季節の手順としてまとめられています。

この章句が説くこと

国を為むるの本は天の時を得て経と為し人の心を得て紀と為す銚耨を推し引くは以て劎㦸に当たり蓑を被るは以て鎧鑐に当たる耕器具われば則ち戦器備わり農事習えば則ち功戦巧みなり鰥寡に賜い孤独を振い種無きに貸す備え

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