管子 / 七主七臣
故春政不禁,則百長不生;夏政不禁,則五榖不成;秋政不禁,則姦邪不勝;冬政不禁,則地氣不藏。四者俱犯,則隂陽不和,風雨不時,大水漂州流邑,大風漂屋折樹,火暴焚,地燋草,天冬雷,地冬霆。草木夏落而秋榮,蟄蟲不藏,宜死者生,宜蟄者鳴,苴多螣蟇,山多蟲六畜不蕃,民多夭死,國貧法亂,逆氣下生。故曰:臺榭相望者,亡國之廡也;馳車充國者,追寇之馬也;羽劒珠飾者,斬生之斧也;文采纂組者,燔功之窑也。明王知其然,故逺而不近也。能去此取彼,則人主道備矣。
新字:故春政不禁,則百長不生;夏政不禁,則五榖不成;秋政不禁,則姦邪不勝;冬政不禁,則地気不蔵。四者倶犯,則陰陽不和,風雨不時,大水漂州流邑,大風漂屋折樹,火暴焚,地燋草,天冬雷,地冬霆。草木夏落而秋栄,蟄虫不蔵,宜死者生,宜蟄者鳴,苴多螣蟇,山多虫六畜不蕃,民多夭死,国貧法乱,逆気下生。故曰:台榭相望者,亡国之廡也;馳車充国者,追寇之馬也;羽劒珠飾者,斬生之斧也;文采纂組者,燔功之窑也。明王知其然,故遠而不近也。能去此取彼,則人主道備矣。
書き下し
故に春の政禁ぜざれば、則ち百長生ぜず。夏の政禁ぜざれば、則ち五榖成らず。秋の政禁ぜざれば、則ち姦邪勝たれず。冬の政禁ぜざれば、則ち地氣藏まらず。四者俱に犯さば、則ち隂陽和せず、風雨時ならず、大水州を漂わし邑を流し、大風屋を漂わし樹を折り、火暴かに焚き、地草を燋き、天冬に雷し、地冬に霆す。草木夏に落ちて秋に榮え、蟄蟲藏まらず、死すべき者生き、蟄すべき者鳴き、苴に螣蟇多く、山に蟲多く、六畜蕃らず、民多く夭死し、國貧しく法亂れ、逆氣下に生ず。故に曰く、臺榭相望む者は、亡國の廡なり。馳車國に充つる者は、寇を追うの馬なり。羽劒珠飾なる者は、生を斬るの斧なり。文采纂組なる者は、功を燔くの窑なりと。明王は其の然るを知る、故に逺ざけて近づけざるなり。能く此を去りて彼を取れば、則ち人主の道備わる。
現代語訳
春の政で禁じなければ、多くのものが育たない。夏の政で禁じなければ、五穀は実らない。秋の政で禁じなければ、よこしまは抑えられない。冬の政で禁じなければ、地の気は蔵まらない。四つをともに犯せば、陰陽は和さず、風雨は時を外し、大水が州を漂わせ邑を流し、大風が家を吹き飛ばし樹を折り、火が急に燃え、地は草を焼き、天は冬に雷を鳴らし、地は冬に雷を落とす。草木は夏に落ちて秋に咲き、冬ごもりの虫は蔵まらず、死ぬべきものが生き、こもるべきものが鳴き、草むらにひきがえるが多く、山に虫が多く、六畜は増えず、民は多く若死にし、国は貧しく法は乱れ、逆らう気が下に生まれる。だから言う。高殿が並び立つのは、滅びる国の軒である。走る車が国に満ちるのは、賊を追う馬である。羽飾りの剣や珠の飾りは、命を斬る斧である。あやや彩りの組紐は、功を焼く窯である、と。明王はそうと知っている。だから遠ざけて近づけない。これを捨ててあちらを取れれば、主の道は備わる。
解説
この章句が説くこと
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『管子』七主七臣故に明主に六務四禁有り。六務なる者は何ぞや。一に曰く用を節す、二に曰く佐を賢にす、三に曰く法度、四に曰く必ず誅す、五に曰く天の時、六に曰く地の宜なり。四禁なる者は何ぞや。春は殺伐する無く、大陵を割く無く、大衍を倮にし、大木を伐り、大山を斬り、大火を行い、大臣を誅し、榖賦を収むる無し。夏は水を遏め、名川を達し、大谷を塞ぎ、土功を動かし、鳥獸を射る無し。秋は過を赦し罪を釋き刑を緩くする無し。冬は爵を賦し祿を賞し、五榖を傷り伐る無し。
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『管子』禁藏五正を發し、薄罪を赦し、拘民を出だし、仇讎を解くは、時功を建て、生榖を施す所以なり。夏は五德を賞し、爵祿を滿たし、官位を遷し、孝弟を禮し、賢力を復するは、功を勸むる所以なり。秋は五刑を行い、大罪を誅するは、淫邪を禁じ、盜賊を止むる所以なり。冬は五藏を收め、萬物を最むるは、内に民を作す所以なり。四時の事備わりて、民の功百倍す。故に春は仁、夏は忠、秋は急、冬は閉、天の時に順い、地の宜を約し、人の和に忠なり。故に風雨時に、五榖實り、草木美しく多く、六畜蕃息し、國富み兵彊く、民材ありて令行われ、内に煩擾の政無く、外に彊敵の患い無し。夫れ動静順いて然る後に和すなり。其の時を失わずして然る後に富み、其の法を失わずして然る後に治まる。故に國は虚しくは富まず、民は虚しくは治まらず。治まらずして昌え、亂れずして亡ぶる者は、古より今に至るまで、未だ嘗て有らざるなり。
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『管子』四時是の故に春に凋み、秋に榮え、冬に雷あり、夏に霜雪有るは、此れ皆な氣の賊なり。刑德節を易え、次を失えば則ち賊氣遫やかに至り、賊氣遫やかに至れば則ち國に菑殃多し。是の故に聖王は時に務めて政を焉に寄せ、敎を作して武を寄せ、祀を作して德を寄す。此の三者は、聖王の天地の行に合する所以なり。日は陽を掌り、月は隂を掌り、星は和を掌る。陽は德と為り、隂は刑と為り、和は事と為る。是の故に日食すれば則ち德を失うの國之を惡み、月食すれば則ち刑を失うの國之を惡み、彗星見るれば則ち和を失うの國之を惡み、風と日と明を爭えば則ち生を失うの國之を惡む。是の故に聖王は日食すれば則ち德を脩め、月食すれば則ち刑を脩め、彗星見るれば則ち和を脩め、風と日と明を爭えば則ち生を脩む。此の四者は、聖王の天地の誅を免るる所以なり。信に能く之を行えば、五榖蕃息し、六畜殖えて甲兵强し。治積もれば則ち昌え、㬥虐積もれば則ち亡ぶ。
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『管子』七主七臣夫れ倉庫は虚空なるに非ざるなり。商宦は虚しく壞るるに非ざるなり。法令は虚しく亂るるに非ざるなり。國家は虚しく亡ぶるに非ざるなり。彼の時に春秋有り、歲に敗凶有り、政に急緩有り。政に急緩有り、故に物に輕重有り。歲に敗凶有り、故に民に義足らざる有り。時に春秋有り、故に榖に貴賤有り。而るに上調えて淫せざれば、故に游商は以て其の本を什伯するを得るなり。百姓の田せざる、貧富の訾らざる、皆な此を用て作る。城郭守られず、兵士用いられざる、皆な此に道りて始まる。夫れ國を亡ぼし家を踣す者は、壤土無きに非ざるなり、其の事とする所の者其の功に非ざればなり。夫れ凶歲雷旱は、雨露無きに非ざるなり、其の燥濕其の時に非ざればなり。亂世の煩政は、法令無きに非ざるなり、其の誅賞する所の者其の人に非ざればなり。暴主迷君は、心腹無きに非ざるなり、其の取舍する所其の術に非ざればなり。
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『管子』四時管子曰く、令に時有り、時無ければ則ち必ず天の來たる所以に順うを視よ。五漫漫、六惽惽、孰か之を知らんや。唯だ聖人のみ四時を知る。四時を知らざれば、乃ち國の基を失う。五榖の故を知らざれば、國家乃ち路せん。故に天は信明と曰い、地は信聖と曰い、四時は正と曰う。其の王信明聖なれば、其の臣乃ち正し。何を以て其の王の信明信聖なるを知るや。曰く、慎みて能を使い、而して善く聽きて之を信ず。能を使う、之を明と謂い、聽き信ずる、之を聖と謂う。信明聖なる者は、皆な天賞を受け、能わざるを使いて惽惽と為して忘るる者は、皆な天禍を受く。是の故に上成事を見て功を貴べば、則ち民の事は接し、勞して謀らず。上功を見て賤しめば、則ち人の下と為る者は直にして、人の上と為る者は驕る。是の故に隂陽なる者は、天地の大理なり。四時なる者は、隂陽の大經なり。刑德なる者は、四時の合なり。刑德時に合すれば則ち福を生じ、詭なれば則ち禍を生ず。
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『管子』幼官春に冬の政を行えば肅く、秋の政を行えば雷あり、夏の政を行えば閹る。十二日にして地氣發し、春事を戒む。十二日にして小卯、出でて耕す。十二日にして天氣下り、賜與す。十二日にして義氣至り、門閭を修む。十二日にして清明、禁を發く。十二日にして始卯、男女を合わす。十二日にして中卯、十二日にして下卯、三卯事を同じくす。八舉の時節、君は青色を服し、酸味を味わい、角聲を聽き、燥氣を治め、八數を用い、青后の井に飲み、羽獸の火を以て㸑ぐ。不忍を藏し、敺養を行い、坦氣修まり通ず。凡そ物開き静かにして、形生じ理まる。内を合わせ外を空周し、強國は圏と為し、弱國は屬と為す。動きて從わざる無く、静かにして同ぜざる無し。舉發するに禮を以てせば、時禮必ず得たり。和好基づかず、貴賤司る無ければ、事變日々に至る。此れ圖の東方方外に居る。