管子 / 侈靡
「請問為邊若何?」對曰:「夫邊日變,不可以常知觀也。民未始變而是變,是為自亂。請問諸邊而參其亂,任之以事。因其謀,方百里之地,樹表相望者,丈夫走禍,婦人備食。内外相備,春秋一日,敗曰千金,稱本而動。候人不可重也,唯交於上,能必於邊之辭。行人可不有私,不有私,所以為内因也。使能者有主矣,而内事。」
新字:「請問為辺若何?」対曰:「夫辺日変,不可以常知観也。民未始変而是変,是為自乱。請問諸辺而参其乱,任之以事。因其謀,方百里之地,樹表相望者,丈夫走禍,婦人備食。内外相備,春秋一日,敗曰千金,称本而動。候人不可重也,唯交於上,能必於辺之辞。行人可不有私,不有私,所以為内因也。使能者有主矣,而内事。」
書き下し
「請う問う、邊を為むるは若何」と。對えて曰く、「夫れ邊は日に變ず、常知を以て觀る可からざるなり。民未だ始めより變ぜざるに是れ變ずるは、是れ自ら亂ると為す。請う邊に諸を問いて其の亂を參り、之に任ずるに事を以てす。其の謀に因りて、方百里の地、表を樹てて相望む者は、丈夫は禍に走り、婦人は食を備う。内外相備え、春秋一日、敗るれば千金と曰い、本に稱いて動く。候人は重んず可からざるなり、唯だ上に交わり、能く邊の辭を必にす。行人は私有る可からず、私有らざるは、内因を為す所以なり。能者をして主有らしめて、内事あり」と。
現代語訳
辺境を治めるにはどうするか。答えた。辺境は日ごとに変わる。いつもの知識で見てはならない。民がまだ変わっていないのにこちらが変わるのは、自分から乱れることである。辺境に問うてその乱れを照らし合わせ、事を任せる。そのはかりごとに沿って、四方百里の土地に目印を立てて互いに見渡せるようにする。そうすれば男は禍のほうへ走り、女は食を備える。内と外が互いに備え、春も秋も一日のように動く。敗れれば千金と言い、本に見合って動く。物見の者を重く用いてはならない。ただ上と交わって、辺境からの言葉をたしかにするだけである。使いに立つ者は私を持ってはならない。私がないことが、内のよりどころとなる。能ある者に主を持たせて、内の事を行う。
解説
この章句が説くこと
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孫子・九地篇能く士卒の耳目を愚にして、之をして知ること無からしむ。其の事を易え、其の謀を革めて、人をして識ること無からしむ。其の居を易え、其の途を迂にして、人をして慮ることを得ざらしむ。
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『墨子』尚同下子墨子言いて曰く、「知者の事は、必ず國家百姓の治まる所以の者を計りて之を為し、必ず國家百姓の亂るる所以の者を計りて之を辟く。然らば國家百姓の治まる所以の者を計るに何ぞや。上の政を為すや、下の情を得れば則ち治まり、下の情を得ざれば則ち亂る。何を以て其の然るを知るや。上の政を為すや、下の情を得れば、則ち是れ民の善非に明らかなり。茍くも民の善非に明らかなるが若くんば、則ち善人を得て之を賞し、暴人を得て之を罰するなり。善人賞せられて暴人罰せらるれば、則ち國必ず治まる。上の政を為すや、下の情を得ざれば、則ち是れ民の善非に明らかならず。若し茍くも民の善非に明らかならずんば、則ち是れ善人を得て之を賞せず、暴人を得て之を罰せず。善人賞せられずして暴人罰せられず、政を為すこと此くの若くんば、國衆必ず亂る。故に賞は下の情を得ざれば、而ち察せざる可からざる者なり」と。
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『墨子』號令守樓は質宫に臨みて善く周し、必ず宻に樓を塗り、下をして上を見る無く、上は下を見、下は上に人有ると人無きとを知る無からしむ。守の親しく舉ぐる所の吏の貞亷忠信にして害無く事に任ず可き者は、其の飲食酒肉、禁ずる勿かれ。錢金・布帛・財物は各おの自ら之を守り、慎んで相い盜む勿かれ。葆宫の牆は必ず三重、牆の垣、守る者、皆な瓦釜を牆上に累ぬ。門に吏有り、門里を主る者、筦閉には必ず太守の節を須つ。葆衛には必ず戍卒の重厚なる者を取り、吏の忠信なる者、害無く事に任ず可き者を擇ぶを請う。将衛をして自ら十尺の垣を築き、周く牆を還らしむ。門・閨なる者は、令衛の司馬門に非ず。氣を望む者の舍は必ず太守に近くし、巫の舍は必ず公社に近くし、必ず之を敬神す。巫・祝・史と氣を望む者とは、必ず善言を以て民に告げ、請を以て守上に報じ、守、獨り其の請を知るのみ。氣を望むに與らずして妄りに不善の言を為して民を驚恐せしむれば、斷じて赦す勿かれ。
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『学問のすゝめ』十一編・名分をもって偽君子を生ずるの論・その顔に笑みを含むときは商売の当たりこの風儀はひとり政府のみに限らず、商家にも、学塾にも、宮にも、寺にも行なわれざるところなし。今その一例を挙げて言わん。店中に旦那が一番の物知りにて、元帳を扱う者は旦那一人、したがって番頭あり、手代ありて、おのおのその職分を勤むれども、番頭・手代は商売全体の仕組みを知ることなく、ただ喧しき旦那の指図に任せて、給金も指図次第、仕事も指図次第、商売の損得は元帳を見て知るべからず、朝夕旦那の顔色を窺い、その顔に笑みを含むときは商売の当たり、眉の上に皺をよするときは商売の外れと推量するくらいのことにて、なんの心配もあることなし。
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『墨子』尚同中故に古者、聖王は唯だ壹に尚同を以て正長と為す。是れ上下、請謁して通を為す。上に隠事遺利有れば、下、得て之を利し、下に蓄怨積害有れば、上、得て之を除く。是を以て數千萬里の外に善を為す者有れば、其の室人未だ徧く知らず、鄉里未だ徧く聞かざるに、天子、得て之を賞す。數千萬里の外に不善を為す者有れば、其の室人未だ徧く知らず、郷里未だ徧く聞かざるに、天子、得て之を罰す。是を以て天下の人を舉げて皆な恐懼振動惕慄して、敢えて淫暴を為さず、曰く、「天子の視聴や神なり」と。先王の言に曰く、「神に非ざるなり。夫れ唯だ能く人の耳目をして己が視聴を助けしめ、人の吻をして己が言談を助けしめ、人の心をして己が思慮を助けしめ、人の股肱をして己が動作を助けしむればなり」と。之を視聴するを助くる者衆ければ、則ち其の聞見する所の者は逺し。之を言談するを助くる者衆ければ、則ち其の徳音の撫循する所の者は博し。之を思慮するを助くる者衆ければ、則ち其の謀慮は速やかに得らる。之を動作するを助くる者衆ければ、則ち其の事を舉ぐること速やかに成る。
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