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孟子 / 梁惠王章句下

孟子見齊宣王曰、為巨室、則必使工師求大木。工師得大木、則王喜、以為能勝其任也。匠人斲而小之、則王怒、以為不勝其任矣。夫人幼而學之、壯而欲行之。王曰、姑舍女所學而從我、則何如。今有璞玉於此、雖萬鎰、必使玉人彫琢之。至於治國家、則曰、姑舍女所學而從我、則何以異於教玉人彫琢玉哉。

新字:孟子見斉宣王曰、為巨室、則必使工師求大木。工師得大木、則王喜、以為能勝其任也。匠人斲而小之、則王怒、以為不勝其任矣。夫人幼而學之、壮而欲行之。王曰、姑舎女所學而従我、則何如。今有璞玉於此、雖万鎰、必使玉人彫琢之。至於治国家、則曰、姑舎女所學而従我、則何以異於教玉人彫琢玉哉。

書き下し

孟子、齊の宣王に見えて曰く、「巨室を為らば、則ち必ず工師をして大木を求めしめん。工師、大木を得ば、則ち王は喜びて、以て能く其の任に勝うと為さん。匠人、斲(けずる)りて之を小にせば、則ち王は怒りて、以て其の任に勝えずと為さん。夫れ人、幼にして之を學び、壯にして之を行わんと欲す。王曰く、『姑(しばらく)く女(なんじ)の學ぶ所を舎きて我に從え。』則ち何如。今此に璞(ハク)玉有らんに、萬鎰と雖も、必ず玉人をして之を彫琢せしめん。國家を治むるに至りては、則ち曰く、『姑く女の學ぶ所を舎きて我に從え。』則ち何を以て玉人に玉を彫琢することを教うるに異ならんや。」

現代語訳

孟子が齊の宣王にお目にかかって言った、 「大きな宮殿をお造りになろうと思われたら、必ず大工の棟梁に命じてそれに見合う大木を探させるでしょう。棟梁が期待通りの大木を入手すれば、王様はお喜びになり、これなら大きな宮殿を造るのに適していると思われます。ところが棟梁が、この巨木を削って小さくすれば、王様はお怒りになられ、これでは大きな宮殿を造るのに適さないとお思いになられます。そこで、志のある人が、幼いころから学問をし、一人前になったら学んだことを実践しようと思っていると、王様は、お前の学んだことはしばらく捨て置いて、私の考えに従えと仰せになられると、どういうことになりましょうか。今、ここにまだ磨いていない玉が有れば、それがいかに高価であっても、自分で手を付けずに、本職の玉造りに磨かせるでしょう。ところが、国家を治めるということになりますと、お前の学んだことは、しばらく捨て置いて、私の考えに従えとおっしゃる。これでは、本職の玉造に玉の磨き方を教えるのと、どこが違うのでしょうか。」

解説

現代の企業において、専門知識や高い技術を持つ人材を採用しながら、上層部が自分たちの古いやり方を一方的に押し付け、その能力を活かさないのは非常にもったいないことです。宝石の原石を素人が無理に削ろうとすれば台無しになるように、専門家の領域には口を出さず、彼らの知見を最大限に尊重して仕事を任せることが重要です。部下の専門性を深く信じて自由に才能を発揮させる環境づくりが、組織全体の画期的な成長をもたらすのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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