格言聯璧 / 接物類・宇宙の大なる何物か有らざらん
宇宙之大,何物不有?使擇物而取之,安得別立宇宙,置此所含之物? 人心之廣,保人不容,使擇人而好之,安有別個人心,復容所惡之人?
新字:宇宙之大,何物不有?使択物而取之,安得別立宇宙,置此所含之物? 人心之広,保人不容,使択人而好之,安有別個人心,復容所悪之人?
書き下し
宇宙の大なる、何物か有らざらん。物を擇びて之を取らしめば、安んぞ別に宇宙を立てて、此の含む所の物を置くを得ん。 人心の廣き、何人をか容れざらん。人を擇びて之を好ましめば、安んぞ別個の人心有りて、復た惡む所の人を容れん。
現代語訳
宇宙は広大で、どんな物でもあります。もし物を選んで取るようにしたら、どうして別に宇宙を立てて、ここに含まれている物を置いておけるでしょうか。 人の心は広く、どんな人でも受け入れます。もし人を選んで好むようにしたら、どうして別の人の心があって、嫌いな人を受け入れられるでしょうか。
解説
宇宙と人の心を並べた、壮大な対句の則です。宇宙が物を選ばずにすべてを含んでいるように、人の心も人を選ばずにすべてを受け入れるべきだと説きます。もし宇宙が物を選べば、選ばれなかった物を置く別の宇宙が要るし、人が好きな人だけを選べば、嫌いな人を容れる別の心が要る。しかしそんなものはないのだから、一つの心ですべてを容れるしかない、という論法です。底本は後半の「何」を「保」に作りますが、前半との対から「何」と見て読みました。前の単位の「世に処するには太だ分明なるべからず」を、宇宙の大きさにまで広げて裏づけた形になっています。苦手な人を避けたくなるとき、自分の心の広さを宇宙になぞらえてみるのも一つの工夫です。
この章句が説くこと
包容度量接物寛容自然
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