格言聯璧 / 處事類・本と事無くして事を生ず
過去事丟得一節是一節 現在事了得一節是一節 未來事省得一節是一節 強不知以為知,此乃大愚。 本無事而生事,是謂薄福。 居處必先精勤,乃能閑暇。凡事務求停妥,然後逍遙。
新字:過去事丟得一節是一節 現在事了得一節是一節 未来事省得一節是一節 強不知以為知,此乃大愚。 本無事而生事,是謂薄福。 居処必先精勤,乃能閑暇。凡事務求停妥,然後逍遥。
書き下し
過去の事は一節を丟て得れば是れ一節なり。 現在の事は一節を了り得れば是れ一節なり。 未來の事は一節を省き得れば是れ一節なり。 知らざるを強ひて以て知ると爲す、此れ乃ち大愚なり。 本と事無くして事を生ず、是れを薄福と謂ふ。 居處は必ず先づ精勤にして、乃ち能く閑暇なり。凡そ事は務めて停妥を求め、然る後に逍遙す。
現代語訳
過ぎた事は、一つ捨てられればそれだけ得です。 今の事は、一つ片づけられればそれだけ得です。 これからの事は、一つ省ければそれだけ得です。 知らないのに無理に知っているふりをするのは、大いなる愚かさです。 もともと何事もないのに事を起こすのを、福の薄い人と言います。 暮らしではまず精を出して勤めてこそ、ゆとりが生まれます。何事もきちんと片をつけることに努め、そのうえでのびのびと過ごします。
解説
過去・現在・未来の事を三つ並べ、捨てる・片づける・省くと、それぞれへの向き合い方を示す冒頭が印象的です。済んだことを引きずらず、目の前のことは一つずつ終わらせ、先のことは余計な手間を増やさない。三句とも「一節は是れ一節」と、少しずつでよいと言っているところに温かみがあります。続く二句は、知ったかぶりと、わざわざ事を起こすことを戒めます。最後の句は、閑暇や逍遙はまず勤勉と始末のよさの上に成り立つと説き、次の単位の「閑は勤より得る」につながります。仕事の段取りを考えるとき、終わった案件を忘れ、今の案件を閉じ、先の案件を増やさないという三つの動きは、そのまま使える整理術です。
この章句が説くこと
処事勤勉閑適整理謙虚
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