格言聯璧 / 學問類・古人の位に處りて古人の事を爲す
不然,利害臨之而必變。 接人要和中有介,處事要精中有果,認理要正中有通。 在古人之後,議古人之失,則易。 處古人之位,為古人之事,則難。
新字:不然,利害臨之而必変。 接人要和中有介,処事要精中有果,認理要正中有通。 在古人之後,議古人之失,則易。 処古人之位,為古人之事,則難。
書き下し
然らずんば、利害之に臨みて必ず變ず。 人に接するには和中に介有るを要し、事に處するには精中に果有るを要し、理を認むるには正中に通有るを要す。 古人の後に在りて、古人の失を議するは、則ち易し。 古人の位に處りて、古人の事を爲すは、則ち難し。
現代語訳
そうでなければ、利害が目の前に迫ったとき必ず心変わりしてしまいます。 人と接するときは、和やかさのなかにけじめがなければなりません。事に当たるときは、綿密さのなかに決断がなければなりません。道理をつかむときは、正しさのなかに融通がなければなりません。 古人の後の時代にいて、古人の失敗をあれこれ論じるのはやさしいことです。 古人の地位に身を置いて、古人と同じ事を行うのは難しいことです。
解説
冒頭の一句は前の単位の「惟れ一」の説明の続きで、心が一つでなければ利害に直面したとき変節すると結びます。次の句は三つの「中に有る」の対句で、和と介、精と果、正と通という一見反対の性質を兼ね備えることを求めます。介は節度やけじめ、果は決断です。後半は、後の時代から古人の失敗を批評するのはたやすいが、その立場に立って実際にやるのは難しいと戒めます。歴史上の人物や前任者、上司の判断を後から批判するのは簡単です。当時の情報と制約のなかで自分なら何ができたかを考えると、見方が謙虚になります。
この章句が説くこと
中庸決断謙虚処事接物
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