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五行大義 / 第二十三論諸人・第一論人配五行

火炎上。故高。炎上。故少髮也。西戎之人。深目高鼻。衣而無冠者。鼻主肺。肺。金也。故高。目。肝也。肝爲木金之所制。故深。金主裁斷。故髮斷無冠。北狄之人。高權被髪衣長者。權主腎。腎。水也。故高權。被髪者。象水流漫也。衣長。亦象水行也。中夏之人。容貌平整者。象土地和平也。其衣冠車服備五色者。象土包含四行也。孔子曰。東僻之人曰夷。精以僥。南僻之人曰蠻。信以朴。西僻之人曰戎。頑以剛。北僻之人曰狄。肥以戾。中國之人。安居和味。帝王世紀云。堯流共工于幽州。以竄北狄。遷三苗于三危。以竄西戎。放驩兜于崇山。以竄南蠻。殛鯀於羽山。以竄東夷。春秋文耀鉤云。氣隨人形。故南方至溫。其人大口。象氣舒緩也。北方至寒。其人短頸。象氣急縮也。東方川谷所經。其人小頭兌形。象木小上也。西方高土。日月所入。其人面多毛。象山多草木也。中央四通。雨露所施。其人面大。象土平廣也。

新字:火炎上。故高。炎上。故少髪也。西戎之人。深目高鼻。衣而無冠者。鼻主肺。肺。金也。故高。目。肝也。肝為木金之所制。故深。金主裁断。故髪断無冠。北狄之人。高権被髪衣長者。権主腎。腎。水也。故高権。被髪者。象水流漫也。衣長。亦象水行也。中夏之人。容貌平整者。象土地和平也。其衣冠車服備五色者。象土包含四行也。孔子曰。東僻之人曰夷。精以僥。南僻之人曰蠻。信以朴。西僻之人曰戎。頑以剛。北僻之人曰狄。肥以戻。中国之人。安居和味。帝王世紀云。堯流共工于幽州。以竄北狄。遷三苗于三危。以竄西戎。放驩兜于崇山。以竄南蠻。殛鯀於羽山。以竄東夷。春秋文耀鉤云。気随人形。故南方至温。其人大口。象気舒緩也。北方至寒。其人短頸。象気急縮也。東方川谷所経。其人小頭兌形。象木小上也。西方高土。日月所入。其人面多毛。象山多草木也。中央四通。雨露所施。其人面大。象土平広也。

書き下し

火は炎上す、故に高し。炎上す、故に髪少なきなり。西戎の人は、深目高鼻にして、衣て冠無き者なり。鼻は肺を主り、肺は金なり、故に高し。目は肝なり、肝は木にして金の制する所と為る、故に深し。金は裁断を主る、故に髪断ちて冠無し。北狄の人は、高権被髪にして衣長き者なり。権は腎を主り、腎は水なり、故に権高し。被髪なる者は、水の流れ漫(ひろ)がるに象るなり。衣長きも、亦た水の行くに象るなり。中夏の人の容貌平整なる者は、土地の和平に象るなり。その衣冠車服の五色を備うる者は、土の四行を包含するに象るなり。孔子曰く、東僻の人を夷と曰い、精にして以て僥(ぎょう)なり。南僻の人を蛮と曰い、信にして以て朴なり。西僻の人を戎と曰い、頑にして以て剛なり。北僻の人を狄と曰い、肥にして以て戻(れい)なり。中国の人は、安居して味を和す、と。『帝王世紀』に云う、堯は共工を幽州に流して以て北狄に竄(ざん)し、三苗を三危に遷して以て西戎に竄し、驩兜(かんとう)を崇山に放ちて以て南蛮に竄し、鯀(こん)を羽山に殛(きょく)して以て東夷に竄す、と。『春秋文耀鉤』に云う、気は人の形に随う。故に南方は至って温かく、その人大口なるは、気の舒緩なるに象るなり。北方は至って寒く、その人短頸なるは、気の急縮なるに象るなり。東方は川谷の経る所、その人小頭兌形なるは、木の上に小さきに象るなり。西方は高土にして日月の入る所、その人面に毛多きは、山に草木多きに象るなり。中央は四通して雨露の施す所、その人面大なるは、土の平広なるに象るなり、と。

現代語訳

火は燃え上がるので、口の位置が高い。燃え上がるので、髪が少ないのである。西戎(西方の異民族)の人は、目がくぼみ鼻が高く、衣服は着るが冠をかぶらない。鼻は肺をつかさどり、肺は金であるから、鼻が高い。目は肝であり、肝は木で金に抑えられるから、目がくぼんでいる。金は断ち切ることをつかさどるので、髪を切って冠をかぶらない。北狄(北方の異民族)の人は、頬骨が高く、髪を結わずに垂らし、長い衣を着る。頬骨は腎をつかさどり、腎は水であるから、頬骨が高い。髪を垂らすのは、水が流れて広がるさまにかたどっている。衣が長いのも、水が流れ行くさまにかたどっている。中国の人の容貌が整っていて穏やかなのは、土地が穏やかで平らかなことにかたどっている。その衣服・冠・車・服飾が五色を備えているのは、土が他の四行を包み含むことにかたどっている。孔子は言う。東の辺境の人を夷といい、精悍ですばしこい。南の辺境の人を蛮といい、正直で素朴である。西の辺境の人を戎といい、かたくなで剛強である。北の辺境の人を狄といい、たくましく荒々しい。中国の人は、落ち着いて暮らし、味をほどよく調える、と。『帝王世紀』(晋の皇甫謐による古代帝王の歴史書)はこう言う。堯は共工を幽州に流して北狄の地に追いやり、三苗を三危に移して西戎の地に追いやり、驩兜を崇山に放って南蛮の地に追いやり、鯀を羽山で誅して東夷の地に追いやった、と。『春秋文耀鉤』(漢代の緯書)はこう言う。気は人の形に表れる。だから南方はきわめて暖かく、そこの人の口が大きいのは、気がゆったりしていることにかたどる。北方はきわめて寒く、そこの人の首が短いのは、気が縮こまることにかたどる。東方は川や谷が通る所で、そこの人の頭が小さく上がとがっているのは、木が上に行くほど細いことにかたどる。西方は土地が高く、日と月が沈む所で、そこの人の顔に毛が多いのは、山に草木が多いことにかたどる。中央は四方に通じ、雨露がゆきわたる所で、そこの人の顔が大きいのは、土が平らで広いことにかたどる、と。

解説

前節に続き、四方の民族の姿を五行と五臓で説明する節である。南は火で口が高く髪が少なく、西は金で鼻が高く目がくぼみ髪を断ち、北は水で頬骨が高く髪を垂らし衣が長く、中央は土で容貌が整い五色の衣服を用いる、という。鼻は肺、目は肝、頬骨は腎という顔と臓腑の対応が根拠に使われており、顔を見て内臓の状態を推す望診の考え方と同じ筋道である。続く孔子の言葉では四方の人の気質が一言ずつ評され、『帝王世紀』では、堯(実際には舜の事績として『尚書』舜典に見える)が四人の悪人を四方の果てへ追いやった話が引かれる。最後の緯書『春秋文耀鉤』は、気候の暖かさ寒さが口の大きさや首の長さに現れるとする。中華を中心に四方を低く見る世界観は時代の限界だが、寒い土地の人は首をすくめ、暖かい土地の人はゆったりしている、という観察の核には、環境が身体と気質を形づくるという素朴だが大事な気づきがある。

この章句が説くこと

五行大義四夷五臓風土緯書

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