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五行大義 / 第二十一論五帝

木王則蒼帝之子。火王則赤帝之子。土王則黃帝之子。金王則白帝之子。水王則黑帝之子。故錄圖云。東方蒼帝。體爲蒼龍。其人長頭面。大角。骨起。眉。背豐博。順金授火。南方赤帝。體爲朱鳥。其人尖頭。圓面。方頤。張目。小上廣下。鬚髥偃胸。順水授土。中央黃帝。體爲軒轅。其人面方。廣顙。兌頤。緩脣。背豐厚。順木授金。西方白帝。體爲白虎。其人方顙。直面。兌口。大鼻。小角。順火授水。北方黑帝。體爲玄武。其人夾面。兌頭。深目。厚耳。垂腹。反羽。順土授木。此竝象五行之符。依其行次。以相傳授也。感精符云。蒼帝。望之廣。視之博。赤帝。望之火煌煌燃。視之尖上。黃帝。望之小。視之大。廣厚正方。白帝。望之明。視之茂。黑帝。望之巨。視之穉。元命苞云。蒼精用事。象歲星。赤精用事。象熒惑。黃精用事。象鎮星。白精用事。象太白。黑精用事。象辰星。此皆五德之依五行。子母相傳也。非其次者。必有剋代而不終也。

新字:木王則蒼帝之子。火王則赤帝之子。土王則黄帝之子。金王則白帝之子。水王則黒帝之子。故録図云。東方蒼帝。体為蒼竜。其人長頭面。大角。骨起。眉。背豊博。順金授火。南方赤帝。体為朱鳥。其人尖頭。円面。方頤。張目。小上広下。鬚髥偃胸。順水授土。中央黄帝。体為軒轅。其人面方。広顙。兌頤。緩脣。背豊厚。順木授金。西方白帝。体為白虎。其人方顙。直面。兌口。大鼻。小角。順火授水。北方黒帝。体為玄武。其人夾面。兌頭。深目。厚耳。垂腹。反羽。順土授木。此並象五行之符。依其行次。以相伝授也。感精符云。蒼帝。望之広。視之博。赤帝。望之火煌煌燃。視之尖上。黄帝。望之小。視之大。広厚正方。白帝。望之明。視之茂。黒帝。望之巨。視之穉。元命苞云。蒼精用事。象歳星。赤精用事。象熒惑。黄精用事。象鎮星。白精用事。象太白。黒精用事。象辰星。此皆五徳之依五行。子母相伝也。非其次者。必有剋代而不終也。

書き下し

木王たれば則ち蒼帝の子、火王たれば則ち赤帝の子、土王たれば則ち黄帝の子、金王たれば則ち白帝の子、水王たれば則ち黒帝の子なり。故に録図に云う、東方の蒼帝は、体は蒼竜たり。その人は長頭面、大角、骨起こり、眉あり、背は豊博なり。金に順いて火に授く。南方の赤帝は、体は朱鳥たり。その人は尖頭、円面、方頤(ほうい)、張目、小上広下、鬚髥(しゅぜん)胸に偃(ふ)す。水に順いて土に授く。中央の黄帝は、体は軒轅たり。その人は面方、広顙(こうそう)、兌頤(えいい)、緩唇、背は豊厚なり。木に順いて金に授く。西方の白帝は、体は白虎たり。その人は方顙、直面、兌口、大鼻、小角なり。火に順いて水に授く。北方の黒帝は、体は玄武たり。その人は夾面、兌頭、深目、厚耳、垂腹、反羽なり。土に順いて木に授く、と。此れ並びに五行の符に象り、その行次に依りて、以て相伝授するなり。感精符に云う、蒼帝は、之を望めば広く、之を視れば博し。赤帝は、之を望めば火の煌煌として燃ゆるがごとく、之を視れば尖上なり。黄帝は、之を望めば小にして、之を視れば大なり、広厚正方なり。白帝は、之を望めば明らかに、之を視れば茂し。黒帝は、之を望めば巨にして、之を視れば穉(おさな)し、と。元命苞に云う、蒼精事を用うれば歳星に象り、赤精事を用うれば熒惑(けいこく)に象り、黄精事を用うれば鎮星に象り、白精事を用うれば太白に象り、黒精事を用うれば辰星に象る、と。此れ皆五徳の五行に依り、子母相伝うるなり。その次に非ざる者は、必ず剋代有りて終わらざるなり。

現代語訳

木の徳で王となる者は蒼帝の子であり、火の徳で王となる者は赤帝の子であり、土の徳で王となる者は黄帝の子であり、金の徳で王となる者は白帝の子であり、水の徳で王となる者は黒帝の子である。だから『録図』にいう。東方の蒼帝は、その体は蒼竜である。その(子として生まれる)人は、頭と顔が長く、額の角が大きく、骨が隆起し、眉があり、背中は豊かで広い。金に従い、火に授ける。南方の赤帝は、その体は朱鳥である。その人は頭がとがり、顔が丸く、あごが四角く、目を見開き、上が小さく下が広く、あごひげとほおひげが胸に垂れ伏している。水に従い、土に授ける。中央の黄帝は、その体は軒轅(の星)である。その人は顔が四角く、額が広く、あごがとがり、唇がゆったりとし、背中は豊かで厚い。木に従い、金に授ける。西方の白帝は、その体は白虎である。その人は額が四角く、顔がまっすぐで、口がとがり、鼻が大きく、額の角が小さい。火に従い、水に授ける。北方の黒帝は、その体は玄武である。その人は顔が細く挟まり、頭がとがり、目がくぼみ、耳が厚く、腹が垂れ、羽が反り返っている。土に従い、木に授ける、と。これらはみな五行のしるしにかたどり、その五行の順序によって、次々に伝え授けるのである。『感精符』(『春秋感精符』。漢代の緯書)にいう。蒼帝は、遠くから望めば広く、近くで見れば大きい。赤帝は、遠くから望めば火が煌々と燃えるようで、近くで見れば上がとがっている。黄帝は、遠くから望めば小さく、近くで見れば大きく、広く厚く正しく四角い。白帝は、遠くから望めば明るく、近くで見れば盛んである。黒帝は、遠くから望めば巨大で、近くで見れば幼い、と。『元命苞』(『春秋元命苞』。漢代の緯書)にいう。蒼の精がはたらくときは歳星(木星)にかたどり、赤の精がはたらくときは熒惑(火星)にかたどり、黄の精がはたらくときは鎮星(土星)にかたどり、白の精がはたらくときは太白(金星)にかたどり、黒の精がはたらくときは辰星(水星)にかたどる、と。これはみな、五徳が五行に従い、子と母として(相生の順に)伝えていくということである。その順序によらない者は、必ず剋して取って代わることになり、終わりを全うしないのである。

解説

五徳で王となる者は、それぞれ天の五帝の子として生まれるという考えを、緯書の『録図』『感精符』『元命苞』で裏づける。木徳の王は蒼帝の子、火徳の王は赤帝の子というように、地上の王朝は天上の五帝の精を受けて交代するとされる。『録図』は五帝の体を蒼竜・朱鳥・軒轅・白虎・玄武という天の星座に当て、その子の容貌を詳しく描く。「金に順いて火に授く」という句は、自分を剋する行には従い、自分が生む行へ位を授けるという意味に読め、各帝で同じ型が繰り返される。『元命苞』は五精を木星・火星・土星・金星・水星の五惑星に対応させ、天体の動きと王朝の徳を結びつける。最後に、相生の順に受け継ぐ者は長く続くが、順を外れて剋して取って代わる者は終わりを全うしないと述べ、次段の秦と漢の比較へつなげる。王朝の正統性を天の星と五行の順序で説明しようとした漢代の政治思想の中心がここにある。物事の継承に順当な筋を求める感覚は、今の組織の代替わりにも通じるものがある。

この章句が説くこと

五行大義五帝五徳五星相生

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