五行大義 / 第二十論諸神
又別有青龍。行十二辰。卽太歲之名也。古者名歲曰青龍。此神主福慶。太陰三歲一徙。右行十二辰。卽太歲之陰神也。后妃之象。主水雨。陰私害氣。右行四孟。一歲一移。以其所至爲害。故言害氣。合爲十二神。九宮之所用也。
新字:又別有青竜。行十二辰。即太歳之名也。古者名歳曰青竜。此神主福慶。太陰三歳一徙。右行十二辰。即太歳之陰神也。后妃之象。主水雨。陰私害気。右行四孟。一歳一移。以其所至為害。故言害気。合為十二神。九宮之所用也。
書き下し
又別に青竜有り、十二辰を行く。即ち太歳の名なり。古は歳を名づけて青竜と曰う。此の神は福慶を主る。太陰は三歳に一たび徙(うつ)り、十二辰を右行す。即ち太歳の陰神なり。后妃の象にして、水雨・陰私を主る。害気は四孟を右行し、一歳に一たび移り、その至る所を以て害と為す。故に害気と言う。合わせて十二神と為す。九宮の用うる所なり。
現代語訳
また別に青竜があり、十二辰(十二支の方位)をめぐる。これは太歳(木星の動きをもとに想定された仮の星)の名である。昔は歳を名づけて青竜といった。この神は福と慶びを主る。太陰は三年に一度移り、十二辰を右回りにめぐる。これは太歳の陰の神であり、后妃にかたどったもので、水や雨、人目に隠れた私事を主る。害気は四孟(寅・巳・申・亥)を右回りにめぐり、一年に一度移って、その至る所に害をなす。だから害気という。(先の九神と)合わせて十二神となり、九宮の占いで用いるものである。
解説
九宮の九神に、青竜・太陰・害気の三つを加えて十二神とする。青竜は太歳の別名とされ、福と慶びを主る。太歳は木星の運行をもとに、それと逆向きにめぐると想定された仮の天体で、年ごとにいる方角が決まる。その方角に向かって土木工事などをするのを忌む考えは、日本の陰陽道の方位神にも受け継がれ、太歳神・太陰神は暦に記される八将神の中に数えられた。ここで太陰を太歳の陰の神、后妃の象とするのは、陽の君に対する陰の后という対の発想による。害気は四孟、すなわち寅・巳・申・亥という季節の始まりの方位だけを移り、至る所に害をなす。名だけ見れば物々しいが、要はある年に避けるべき方角を決めるための目印である。暦や方角の吉凶を気にするかどうかは人それぞれだが、その背後には天体の周期を暮らしの区切りにしようとした古い工夫があることは知っておいてよい。
この章句が説くこと
五行大義太歳青竜太陰方位神
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