言志四録 / 南洲手抄
信孚於上下、天下無甚難處事。
新字:信孚於上下、天下無甚難処事。
書き下し
信上下に孚す、天下甚だ処し難き事無し。
現代語訳
信頼が上の者にも下の者にも行き渡っていれば、世の中に、対処のしようもないほど難しい事などなくなる。
解説
信頼の力を、組織運営の視点から言い切った一条です。「孚(ふ)」とは、心から信じ合うこと。上に立つ者と下で働く者との間に厚い信頼が通っていれば、どんな難題も対処できないほどではなくなる、と一斎は言います。逆に言えば、事が処理できないのは、多くの場合、能力や資源の不足ではなく、上下の信頼が欠けているからです。制度や戦略以前に、まず信頼という土台を築くこと。組織の問題を仕組みの改善だけで解こうとしがちな現代に、根本は人と人の信だと思い出させてくれる、簡潔で力強い言葉です。
この章句が説くこと
信頼上下組織リーダーシップ
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