言志四録 / 南洲手抄
知是行之主宰、乾道也。行是知之流行、坤道也。合以成體躯。則知行、是二而一、一而二。
新字:知是行之主宰、乾道也。行是知之流行、坤道也。合以成体躯。則知行、是二而一、一而二。
書き下し
知は是れ行の主宰なり、乾道なり。行は是れ知の流行なり、坤道なり。合して以て体躯を成す。則ち知行は是れ二にして一、一にして二なり。
現代語訳
知は行を導く主宰であり、天の道(乾)にあたる。行は知が現れ流れ出たものであり、地の道(坤)にあたる。両者が合わさって一つの体を成す。だから知と行は、二つでありながら一つ、一つでありながら二つなのである。
解説
知と行の関係を、易の乾坤(天地)になぞらえて説いた一条です。知は行を導く主宰=天(乾)、行は知が現れ出た流れ=地(坤)。天と地が合わさって一つの世界を成すように、知と行も合わさって一つの人格を成します。だから「知行合一」といっても、二つが融け合って区別がなくなるのではなく、「二にして一、一にして二」——役割は分かれつつ切り離せない、という微妙な均衡です。知に偏れば頭でっかち、行に偏れば無思慮になる。両輪をどう保つかを、天地の比喩で鮮やかに示した一条です。
この章句が説くこと
知行合一乾坤二にして一実践
関連する章句
-
老子 第20章絕學無憂,唯之與阿,相去幾何?善之與惡,相去若何?人之所畏,不可不畏。荒兮其未央哉!眾人熙熙,如享太牢,如春登臺。我獨泊兮其未兆,如嬰兒之未孩;儽儽兮若無所歸。眾人皆有餘,而我獨若遺。我愚人之心也哉!沌沌兮,俗人昭昭,我獨昏昏;俗人察察,我獨悶悶。澹兮其若海,飂兮若無止。眾人皆有以,而我獨頑似鄙。我獨異於人,而貴食母。
-
孟子・盡心章句下孟子曰、梓匠輪輿能與人規矩、不能使人巧。
-
孟子・盡心章句下孟子曰、仁也者、人也。合而言之、道也。
-
言志四録・南洲手抄智仁勇、人皆謂大徳難企。然凡爲邑宰者、固爲親民之職。其察奸慝、矜孤寡、折強梗、即是三徳實事。宜能就實迹以試之可也。
-
孟子・告子章句上孟子曰、五穀者、種之美者也。苟為不熟、不如荑稗。夫仁亦在乎熟之而已矣。
-
荀子・儒効篇不聞不若聞之,聞之不若見之,見之不若知之,知之不若行之。學至於行之而止矣。行之,明也;明之為聖人。聖人也者,本仁義,當是非,齊言行,不失豪釐,無他道焉,已乎行之矣。故聞之而不見,雖博必謬;見之而不知,雖識必妄;知之而不行,雖敦必困。不聞不見,則雖當,非仁也。其道百舉而百陷也。