顔氏家訓 / 治家
南間貧素、皆事外飾、車乘衣服、必貴整齊、家人妻子、不免飢寒。河北人事、多由內政、綺羅金翠、不可廢闕、羸馬顇奴、僅充而已、倡和之禮、或爾汝之。
新字:南間貧素、皆事外飾、車乗衣服、必貴整斉、家人妻子、不免飢寒。河北人事、多由内政、綺羅金翠、不可廃闕、羸馬顇奴、僅充而已、倡和之礼、或爾汝之。
書き下し
南間の貧素は、皆な外飾を事とす。車乗衣服、必ず整斉を貴ぶ。家人妻子は、飢寒を免れず。河北の人事は、多く内政に由る。綺羅金翠、廃闕すべからず。羸馬顇奴、僅かに充つるのみ。倡和の礼は、或いは爾汝す。
現代語訳
南方の貧しい家柄の者は、みな外向きの体裁を整えることに努める。乗る車も衣服も、必ず整っていることを重んじる。その一方で家の者や妻子は、飢えと寒さを免れない。河北での人づきあいは、多くが家の内向きの都合で決まる。絹や金銀の飾りは欠かすことができない。しかし痩せた馬とやつれた下男でかろうじて間に合わせている。夫婦の呼び交わしの礼も、ときにお前呼ばわりである。
解説
南北それぞれの見栄の形を並べています。南は外向きの体裁に金をかけ、家族は飢えと寒さに耐える。北は装身具に金をかけ、馬や使用人は痩せさせている。どちらも、外から見える部分に資源を集中し、見えない部分を削っています。「家人妻子は飢寒を免れず」——この一句が重い。体裁は他人のためのものですが、削られる痛みを負うのは身内です。会社でも、外向きの看板やイベントに予算が回り、社員の待遇や設備が後回しになることがあります。見えるところに寄せるのは自然な傾向なので、意識して見えないところの水準を測る仕組みが要ります。
この章句が説くこと
外飾を事とす家人妻子飢寒を免れず羸馬顇奴見えない部分
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