顔氏家訓 / 治家
河北婦人、織絍組紃之事、黼黻錦繡羅綺之工、大優於江東也。
書き下し
河北の婦人は、織絍組紃の事、黼黻錦繍羅綺の工、大いに江東に優れるなり。
現代語訳
河北の女性は、機を織り紐を組む仕事、模様を織り出した錦や薄絹を仕上げる技において、江南よりはるかに優れている。
解説
二十八字だけの一段です。直前の段で顔之推は、北方の女性が家を取り仕切り訴訟にまで出ることを批判的に記していました。その直後に、技能では北方が江南よりはるかに優れていると書く。批判した相手の優れた点を、同じ筆で並べています。ある集団の振る舞いを批判するとき、その集団が実際に優れている点まで見えなくなりがちです。顔之推は、風習への評価と、技能への評価を別々に記録しました。人や集団を評価するとき、一つの物差しで全体を塗りつぶしていないかどうか。短い一段ですが、置かれた位置に意味があります。
この章句が説くこと
河北の婦人織絍組紃の事大いに江東に優る評価を分ける
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