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顔氏家訓 / 後娶

身没之後、辭訟盈公門、謗辱彰道路、子誣母爲妾、弟黜兄爲傭、播揚先人之辭迹、暴露祖考之長短、以求直己者、往往而有。悲夫!自古姦臣佞妾、以一言陷人者衆矣!況夫婦之義、曉夕移之、婢僕求容、助相說引、積年累月、安有孝子乎?此不可不畏。

新字:身没之後、辞訟盈公門、謗辱彰道路、子誣母為妾、弟黜兄為傭、播揚先人之辞迹、暴露祖考之長短、以求直己者、往往而有。悲夫!自古姦臣佞妾、以一言陥人者衆矣!況夫婦之義、暁夕移之、婢僕求容、助相説引、積年累月、安有孝子乎?此不可不畏。

書き下し

身没するの後、辞訟公門に盈ち、謗辱道路に彰る。子は母を誣いて妾と為し、弟は兄を黜けて傭と為す。先人の辞迹を播揚し、祖考の長短を暴露して、以て己を直しとせんことを求むる者、往往にして有り。悲しいかな。古より姦臣佞妾、一言を以て人を陥るる者衆し。況んや夫婦の義、暁夕に之を移すをや。婢僕容れられんことを求め、助けて相い説引す。年を積み月を累ねて、安んぞ孝子有らんや。此れ畏れざるべからず。

現代語訳

当主が死んだ後、訴訟が役所に満ち、悪口と辱めが道端に広まる。子が実の母を偽って側室だったと言い立て、弟が兄をしりぞけて雇い人だったことにする。亡き親の言葉や行いを言いふらし、祖先の欠点をさらけ出して、自分の言い分を通そうとする者が、しばしばいる。悲しいことだ。昔から、よこしまな臣や口先のうまい側室が、ひと言で人を陥れた例は多い。まして夫婦の間柄では、朝晩ずっと相手の考えを動かしている。下女や下男は気に入られようとして、それを後押しし引っぱっていく。年を重ね月を重ねて、どうして孝行な子が育つだろうか。これは恐れなければならない。

解説

相続争いの生々しい描写です。子が実の母を側室だったことにし、弟が兄を雇い人だったことにする——事実の書き換えまで行きます。顔之推が本当に警告しているのは、その手前の仕組みです。姦臣や佞妾はひと言で人を陥れる。まして夫婦は朝晩ずっと一緒にいて、少しずつ相手の判断を動かしている。そこに使用人が取り入りたくて調子を合わせる。悪意ある一撃ではなく、年月をかけた微量の積み重ねが人を変える。経営でも、日々そばにいる人の見方が、いつのまにか判断の基準を動かします。誰の言葉を毎日聞いているかは、意思決定の質を左右する設計変数です。

この章句が説くこと

子は母を誣いて妾と為す暁夕に之を移す年を積み月を累ぬ日々の影響

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