顔氏家訓 / 勉學
及離亂之後、朝市遷革、銓衡選舉、非復曩者之親、當路秉權、不見昔時之黨。求諸身而無所得、施之世而無所用。被褐而喪珠、失皮而露質、兀若枯木、泊若窮流、鹿獨戎馬之間、轉死溝壑之際。當爾之時、誠駑材也。有學藝者、觸地而安。自荒亂已來、諸見俘虜。雖百世小人、知讀論語、孝經者、尚為人師、雖千載冠冕、不曉書記者、莫不耕田養馬。以此觀之、安可不自勉耶?若能常保數百卷書、千載終不為小人也。
新字:及離乱之後、朝市遷革、銓衡選舉、非復曩者之親、当路秉権、不見昔時之党。求諸身而無所得、施之世而無所用。被褐而喪珠、失皮而露質、兀若枯木、泊若窮流、鹿独戎馬之間、転死溝壑之際。当爾之時、誠駑材也。有学芸者、触地而安。自荒乱已来、諸見俘虜。雖百世小人、知読論語、孝経者、尚為人師、雖千載冠冕、不暁書記者、莫不耕田養馬。以此観之、安可不自勉耶?若能常保数百巻書、千載終不為小人也。
書き下し
離乱の後に及び、朝市遷革す。銓衡選挙は、復た曩者の親に非ず。路に当たり権を秉るは、昔時の党を見ず。諸を身に求むれど得る所無く、之を世に施せど用うる所無し。褐を被て珠を喪い、皮を失いて質を露わす。兀として枯木の若く、泊として窮流の若し。戎馬の間に鹿独として、溝壑の際に転死す。爾の時に当たりては、誠に駑材なり。学芸有る者は、地に触れて安し。荒乱已来、諸ろ俘虜せらるるを見る。百世の小人と雖も、論語・孝経を読むを知る者は、尚お人の師と為る。千載の冠冕と雖も、書記を暁らざる者は、田を耕し馬を養わざるは莫し。此を以て之を観るに、安んぞ自ら勉めざるべけんや。若し能く常に数百巻の書を保たば、千載終に小人と為らざるなり。
現代語訳
戦乱の後になって、朝廷も市街も変わった。人事や選挙は、もう以前の縁故ではなくなった。要路にあって権力を握るのは、かつての仲間ではない。自分の身に求めても何も得られず、世に用いようとしても使い道がない。粗布をまとって珠を失い、皮を失って地肌をさらす。ぼんやりと枯れ木のようで、ひっそりと涸れた流れのようである。戦乱の中を孤独にさまよい、溝や谷で転がり死ぬ。その頃にはまさに、劣った人材であった。学問と技芸のある者は、どこへ行っても落ち着いていられる。戦乱以来、多くの者が捕虜になるのを見た。百代続く庶民の家の者でも、『論語』や『孝経』を読めれば、なお人の師となる。千年続く名門でも、読み書きができなければ、田を耕し馬を飼うほかない。こう見てくると、どうして自ら努めずにいられようか。もし常に数百巻の書を保っていられれば、千年経っても身を落とすことはない。
解説
この章句が説くこと
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