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顔氏家訓 / 勉學

吾初讀莊子「螝二首」、韓非子曰:「蟲有螝者、一身兩口、争食相齕、遂相殺也」、茫然不識此字何音、逢人輒問、了無解者。案:爾雅諸書、蠶蛹名螝、又非二首兩口貪害之物。後見古今字詁、此亦古之虺字、積年凝滯、豁然霧解。

新字:吾初読荘子「螝二首」、韓非子曰:「虫有螝者、一身両口、争食相齕、遂相殺也」、茫然不識此字何音、逢人輒問、了無解者。案:爾雅諸書、蠶蛹名螝、又非二首両口貪害之物。後見古今字詁、此亦古之虺字、積年凝滞、豁然霧解。

書き下し

吾初め荘子の「螝は二首」を読み、韓非子に曰く、「虫に螝なる者有り、一身両口、食を争いて相い齕み、遂に相い殺すなり」と。茫然として此の字の何の音なるかを識らず。人に逢えば輒ち問うも、了に解する者無し。案ずるに、爾雅の諸書に、蚕の蛹を螝と名づく。又た二首両口貪害の物に非ず。後に古今字詁を見るに、此れも亦た古の虺の字なり。積年の凝滞、豁然として霧のごとく解けり。

現代語訳

私ははじめ『荘子』の「螝は二つの首」という句を読み、『韓非子』に「虫に螝というものがあり、一つの体に二つの口があって、食物を争って互いに噛み合い、ついに殺し合う」とあるのを読んだ。ぼんやりとして、この字が何と読むのか分からなかった。人に会うたびに尋ねたが、誰一人答えられなかった。調べてみると『爾雅』などの書では、蚕のさなぎを螝という。それは二つの首と二つの口を持つ貪り害する生き物ではない。後に『古今字詁』を見て、これも古い「虺」の字だと分かった。長年のわだかまりが、霧が晴れるように解けた。

解説

一字が分からず、何年も引きずった記録です。人に会うたびに尋ねたが誰も答えられなかった。字書を引くと別の意味しか出てこず、文脈と合わない。最後に『古今字詁』という別の書を見て、古い字体だと分かった。「積年の凝滞、豁然として霧のごとく解く」。ここで注目すべきは、分からないまま何年も抱え続けたことです。分からないことを忘れずに持ち歩いていたから、答えに出会ったときに気づけた。未解決の問いを手放さずに持っていると、まったく別の場所で答えに出会うことがあります。

この章句が説くこと

螝は二首人に逢えば輒ち問う古今字詁積年の凝滞豁然として解く

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