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顔氏家訓 / 歸心

三世之事、信而有征、家世歸心、勿輕慢也。其間妙旨、具諸經論、不復於此、少能贊述、但懼汝曹猶未牢固、略重勸誘爾。

新字:三世之事、信而有征、家世帰心、勿軽慢也。其間妙旨、具諸経論、不復於此、少能賛述、但懼汝曹猶未牢固、略重勧誘爾。

書き下し

三世の事は、信にして徴有り。家世帰心す。軽慢すること勿かれ。其の間の妙旨は、諸の経論に具わる。復た此において、少しく賛述する能わず。但だ汝曹の猶お未だ牢固ならざるを懼れ、略ぼ重ねて勧誘するのみ。

現代語訳

過去・現在・未来の三世をめぐることは、信ずるに足る証拠がある。我が家は代々仏教に帰依してきた。軽んじてはならない。その細かな教えは、さまざまな経典と論書に備わっている。ここで改めて少しばかり述べ加えることはできない。ただ、お前たちの信がまだ固まっていないことを心配して、あらためて簡単に勧めるだけである。

解説

歸心篇の書き出しです。この篇は顔之推が仏教への帰依を子孫に勧めるもので、彼自身の信仰の表明として読むべきものです。ここで注目したいのは書き方のほうです。詳しい教義は経論に備わっているので繰り返さない、自分がここで書くのは、子どもたちの信がまだ固まっていないから念を押すだけだ、と限定しています。教えそのものを説くのではなく、なぜ自分がここで書くのかを先に述べる。以下の篇で彼は、世間の批判五つを取り上げて一つずつ答えていきます。信じよと言うのではなく、反論に答える形を選んだ点が、この篇の性格を決めています。

この章句が説くこと

三世の事家世帰心す其の間の妙旨は諸の経論に具わる勧める理由

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