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顔氏家訓 / 勉學

多見士大夫恥涉農商、差務工伎、射則不能穿札、筆則纔記姓名、飽食醉酒、忽忽無事、以此銷日、以此終年。或因家世餘緒、得一階半級、便自為足、全忘修學、及有吉凶大事、議論得失、蒙然張口、如坐云霧、公私宴集、談古賦詩、塞默低頭、欠伸而已。有識旁觀、代其入地。何惜數年勤學、長受一生愧辱哉!

新字:多見士大夫恥渉農商、差務工伎、射則不能穿札、筆則纔記姓名、飽食酔酒、忽忽無事、以此銷日、以此終年。或因家世余緒、得一階半級、便自為足、全忘修学、及有吉凶大事、議論得失、蒙然張口、如坐云霧、公私宴集、談古賦詩、塞黙低頭、欠伸而已。有識旁観、代其入地。何惜数年勤学、長受一生愧辱哉!

書き下し

多く士大夫の農商に渉るを恥じ、工伎を務むるを羞じ、射れば則ち札を穿つ能わず、筆すれば則ち纔かに姓名を記し、飽食酔酒して、忽忽として事無く、此を以て日を銷し、此を以て年を終うるを見る。或いは家世の余緒に因り、一階半級を得れば、便ち自ら足れりと為し、全く修学を忘る。吉凶大事有りて、得失を議論するに及べば、蒙然として口を張り、雲霧に坐するが如し。公私の宴集に、古を談じ詩を賦するに、塞黙し頭を低れ、欠伸するのみ。識有りて傍観すれば、其の代わりに地に入らん。何ぞ数年の勤学を惜しみて、長く一生の愧辱を受けんや。

現代語訳

士大夫が農業や商業に関わるのを恥じ、工芸や技術に従事するのを恥ずかしがり、弓を射れば鎧の札も貫けず、筆を執ればかろうじて姓名が書けるだけで、腹いっぱい食べ酒に酔い、ぼんやりと何もせず、そうやって一日を潰し、そうやって一年を終えるのを、私は多く見てきた。あるいは家柄の余禄によって一階級か半階級の官位を得ると、それで満足して、学ぶことをすっかり忘れる。慶弔の大事があって是非を議論する段になると、ぼんやりと口を開けたまま、雲や霧の中に座っているようである。公私の宴会で、古を語り詩を作る場になると、黙り込んで頭を垂れ、あくびをするばかりである。心得のある者がそばで見ていれば、代わりに穴に入りたくなる。どうして数年の勤学を惜しんで、生涯の恥辱を受け続けるのか。

解説

顔氏家訓で最も有名な一節の一つです。技術も学問も持たず、家柄で得た地位に安住した人が、いざ議論の場に出ると口を開けたまま何も言えない。宴席では黙って頭を垂れ、あくびをする。「識有りて傍観すれば、其の代わりに地に入らん」——見ている側が代わりに恥ずかしくなる、という描写が容赦ない。結びの一句が要点です。数年の勉強を惜しんだ結果、生涯の恥をかき続ける。時間の比較として提示されているところが実務的です。学び直しを避ける理由はたいてい「今さら」「忙しい」ですが、避けた期間より、避けた結果に付き合う期間のほうがはるかに長い。

この章句が説くこと

蒙然として口を張る雲霧に坐するが如し数年の勤学一生の愧辱学問

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