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学問のすゝめ / 十二編・演説の法を勧むるの説・わが輩の学問は東京に残し置きたり

今の洋学者にもまたこの懸念なきにあらず。今日都会の学校に入りて読書講論の様子を見れば、これを評して学者と言わざるを得ず。されども今にわかにその原書を取り上げてこれを田舎に放逐することあらば、親戚、朋友に逢うて「わが輩の学問は東京に残し置きたり」と言い訳するなどの奇談もあるべし。

書き下し

今の洋学者にもまたこの懸念なきにあらず。今日都会の学校に入りて読書講論の様子を見れば、これを評して学者と言わざるを得ず。されども今にわかにその原書を取り上げてこれを田舎に放逐することあらば、親戚、朋友に逢うて「わが輩の学問は東京に残し置きたり」と言い訳するなどの奇談もあるべし。

現代語訳

今の洋学者にもまたこの懸念がないではありません。今日、都会の学校に入って読書や講論の様子を見れば、これを評して学者と言わざるを得ません。しかし今にわかにその原書を取り上げてこれを田舎に追放することがあれば、親戚や友人に会って、私の学問は東京に残してきました、と言い訳するような珍談もあるでしょう。

解説

前段の笑い話が、そのまま同時代に当てられます。原書を取り上げて田舎に放り出したら、学問は東京に残してきたと言い訳するだろう、と。書物と都会という環境に支えられた学問が、環境ごと失われる可能性を短く突いています。自分の塾の学生も含めた批判であるところが手厳しく、次の段で学問の中身が定義し直される導入になっています。

この章句が説くこと

環境依存原書田舎言訳

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