塩鉄論 / 散不足篇
「古者、親近而疏遠、貴所同而賤非類。不賞無功、不養無用。今蠻、貊無功、縣官居肆、廣屋大第、坐稟衣食。百姓或旦暮不贍、蠻、夷或厭酒肉。黎民泮汗力作、蠻、夷交脛肆踞。
新字:「古者、親近而疏遠、貴所同而賤非類。不賞無功、不養無用。今蠻、貊無功、県官居肆、広屋大第、坐稟衣食。百姓或旦暮不贍、蠻、夷或厭酒肉。黎民泮汗力作、蠻、夷交脛肆踞。
書き下し
古者、近きに親しみて遠きを疏んじ、同じくする所を貴びて類に非ざるを賤しむ。功無きを賞せず、用無きを養わず。今蠻・貊は功無きに、縣官は肆に居らしめ、廣屋大第、坐して衣食を稟く。百姓は或いは旦暮に贍らず、蠻・夷は或いは酒肉に厭く。黎民は泮汗して力作し、蠻・夷は脛を交え肆に踞す。
現代語訳
昔は、近い者に親しんで遠い者には距離を置き、同じ側の者を貴んで種類の違う者を軽んじた。功のない者に賞を与えず、役に立たない者を養わなかった。いま異民族には何の功もないのに、官は彼らを店に住まわせ、広い家と大きな屋敷を与え、座ったまま衣食を支給している。民のなかには朝夕の食に足りない者がいるのに、異民族は酒と肉に飽きている。民は汗みずくで働いているのに、異民族は足を組んで気ままに座っている。
解説
外から来た者への厚遇を批判した段です。現代の目から見れば排外的に読める箇所で、そこは差し引いて読む必要があります。ただし芯にある原則は「功無きを賞せず、用無きを養わず」であり、批判の対象は出自そのものではなく、功に対して報いが釣り合っていないことです。何のためにその厚遇をしているのかが説明されないまま続くと、支えている側の納得が切れる。外交上の支出が国内で反発を呼ぶ構図は、いまも同じです。
この章句が説くこと
百姓は旦暮に贍らず蠻・夷は酒肉に厭く功無きを賞せず用無きを養わず黎民は泮汗して力作す優先順位分配格差
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