淮南子 / 泰族訓
人欲知高下而不能,教之用管準則說;欲知輕重而無以,予之以權衡則喜;欲知遠近而不能,教之以金目則快射。又況知應無方而不窮哉!犯大難而不懾,見煩繆而不惑,晏然自得,其為樂也,豈直一說之快哉!
新字:人欲知高下而不能,教之用管準則説;欲知軽重而無以,予之以権衡則喜;欲知遠近而不能,教之以金目則快射。又況知応無方而不窮哉!犯大難而不懾,見煩繆而不惑,晏然自得,其為楽也,豈直一説之快哉!
書き下し
人 高下を知らんと欲して能わざるに、之に教うるに管準を用うるを以てすれば則ち說ぶ。輕重を知らんと欲して以てする無きに、之に予うるに權衡を以てすれば則ち喜ぶ。遠近を知らんと欲して能わざるに、之に教うるに金目を以てすれば則ち射を快とす。又た況んや應ずること無方にして窮まらざるを知るをや。大難を犯して懾れず、煩繆を見て惑わず、晏然として自得す。其の樂と爲すや、豈に直だ一說の快のみならんや。
現代語訳
高低を知りたくても分からない人に、水盛りと管の使い方を教えれば喜ぶ。軽重を知りたくても手立てのない人に、秤を与えれば喜ぶ。遠近を知りたくても分からない人に、照準の使い方を教えれば、射るのが楽しくなる。まして、どんな場面にも限りなく応じられるようになると知ればなおさらである。大きな難所に踏み込んでも怯まず、こんがらがった事態を前にしても惑わず、落ち着いて自分を保っていられる。その楽しみは、道具ひとつを教わった嬉しさどころではない。
解説
水盛り、秤、照準。道具を一つ手にしただけで、それまで分からなかったことが分かるようになり、人は嬉しくなる。学ぶ喜びを、この身近な嬉しさから説き起こしています。行き着く先が「大難を犯して懾れず、煩繆を見て惑わず」。難所でも慌てないでいられること自体が、いちばん大きな楽しみだ、と。難所で慌てずにいられること自体が、いちばんの楽しみでした。
この章句が説くこと
人高下を知らんと欲して能わざるに之に教うるに管準を用うるを以てすれば則ち説ぶ軽重を知らんと欲して以てする無きに之に予うるに権衡を以てすれば則ち喜ぶ遠近を知らんと欲して能わざるに之に教うるに金目を以てすれば則ち射を快とす又た況んや応ずること無方にして窮まらざるを知るをや大難を犯して懾れず煩繆を見て惑わず晏然として自得す道具
関連する章句
-
『春秋左氏伝』昭公十八年 学は殖なり六月、鄅人稻を藉(し)く。邾人鄅を襲ふ。鄅人將に門を閉ぢんとす。邾人羊羅、其の首を攝(と)る。遂に之に入り、盡く俘にして以て歸る。鄅子曰く、「余歸る無し」と。帑に從ひて邾に於いてす。邾の莊公鄅の夫人を反し、而して其の女を舍(とど)む。秋、曹の平公を葬る。往く者周の原伯魯に見え、之と語る。學を說ばず。歸りて以て閔子馬に語る。閔子馬曰く、「周其れ亂れんか。夫れ必ず多く是の說有りて、而る後に其の大人に及ぶ。大人失ふを患へて惑ひ、又曰く、『以て學ぶこと無かる可し。學ぶこと無きも害あらず』と。害あらずとして學ばざれば、則ち苟くも可なりとす。是に於いてか下陵ぎ上替(すた)る。能く亂るること無からんや。夫れ學は殖なり。學ばざれば將に落ちんとす。原氏其れ亡びんか」と。
-
論語・季氏篇孔子曰く、「『善を見ては及ばざるが如くし、不善を見ては湯を探るが如くす。』吾其の人を見たり、吾其の語を聞けり。『隠居して以て其の志を成し、義を行いて以て其の道を達す。』吾其の語を聞けり、未だ其の人を見ざるなり。」
-
『学問のすゝめ』十五編・事物を疑いて取捨を断ずること・昨日の所信は今日の疑団となり然りしこうして今この責めに任ずる者は、他なし、ただ一種わが党の学者あるのみ。学者勉めざるべからず。けだしこれを思うはこれを学ぶに若かず。幾多の書を読み、幾多の事物に接し、虚心平気、活眼を開き、もって真実のあるところを求めなば、信疑たちまちところを異にして、昨日の所信は今日の疑団となり、今日の所疑は明日氷解することもあらん。学者勉めざるべからざるなり。
-
論語・雍也篇子、子夏に謂いて曰く、女(なんじ)は君子の儒たれ、小人の儒たるなかれ。
-
論語・里仁篇子曰わく、賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる。
-
論語・雍也篇子曰わく、賢なるかな回や!一簞の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人はその憂えに堪えずといえども、回やその楽しみを改めず。賢なるかな回や。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る