淮南子 / 說山訓
因高而為臺,就下而為池,各就其勢,不敢更為。聖人用物,若用朱絲約芻狗,若為土龍以求雨。芻狗待之而求福,土龍待之而得食。魯人身善制冠,妻善織履,往徙於越而大困窮。以其所修而遊不用之鄉,譬若樹荷山上,而畜火井中。操釣上山,揭斧人淵,欲得所求,難也。
新字:因高而為台,就下而為池,各就其勢,不敢更為。聖人用物,若用朱糸約芻狗,若為土竜以求雨。芻狗待之而求福,土竜待之而得食。魯人身善制冠,妻善織履,往徙於越而大困窮。以其所修而遊不用之鄉,譬若樹荷山上,而畜火井中。操釣上山,掲斧人淵,欲得所求,難也。
書き下し
高きに因りて臺と爲し、下きに就きて池と爲す。各々其の勢に就きて、敢えて更め爲さず。聖人の物を用うるや、朱絲を用いて芻狗を約し、土龍を爲りて以て雨を求むるが若し。芻狗は之を待ちて福を求め、土龍は之を待ちて食を得。魯人 身は冠を制するに善く、妻は履を織るに善し。往きて越に徙りて大いに困窮す。其の修むる所を以て不用の鄉に遊べばなり。譬えば荷を山上に樹え、火を井中に畜うるが若し。釣を操りて山に上り、斧を揭げて淵に人らば、求むる所を得んと欲するも、難きなり。
現代語訳
高いところに因って台を作り、低いところに就いて池を作る。それぞれその地勢に就いて、あえて作り変えない。聖人が物を用いるのは、朱の糸で藁の犬を結び、土の龍を作って雨を求めるようなものだ。藁の犬はそれによって福を求められ、土の龍はそれによって供物を受ける。魯の人が、自分は冠を作るのが上手く、妻は履物を織るのが上手かった。越へ移り住んで、たいそう困窮した。自分の身につけた技を、それが要らない土地へ持って行ったからである。たとえば蓮を山の上に植え、火を井戸の中に蓄えるようなものだ。釣り竿を持って山に登り、斧を掲げて淵に入れば、求めるものを得ようとしても、難しい。
解説
越の人は髪を切り裸足で暮らします。そこへ冠と履物の職人夫婦が移り住んで困窮した。「其の修むる所を以て不用の鄉に遊べばなり」。腕が落ちたのではなく、要らない土地へ持って行っただけです。前半の「高きに因りて臺と爲し、下きに就きて池と爲す」と対になっていて、地勢を変えずに使うのが上手いやり方、逆が下手なやり方として並びます。
この章句が説くこと
高きに因りて台と為し下きに就きて池と為す各々其の勢に就きて敢えて更め為さず魯人身は冠を制するに善く妻は履を織るに善し往きて越に徙りて大いに困窮す其の修むる所を以て不用の鄉に遊べばなり釣を操りて山に上り斧を掲げて淵に人らば求むる所を得んと欲するも難きなり適所
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