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淮南子 / 兵略訓

兵靜則固,專一則威,分決則勇,心疑則北,力分則弱。故能分人之兵,疑人之心,則錙銖有餘;不能分人之兵,疑人之心,則數倍不足。故紂之卒,百萬之心;武王之卒,三千人皆專而一。故千人同心,則得千人力;萬人異心,則無一人之用。將卒吏民,動靜如身,乃可以應敵合戰。故計定而發,分決而動,將無疑謀,卒無二心,動無墮容,口無虛言,事無嘗試,應敵必敏,發動必亟。

新字:兵静則固,専一則威,分決則勇,心疑則北,力分則弱。故能分人之兵,疑人之心,則錙銖有余;不能分人之兵,疑人之心,則数倍不足。故紂之卒,百万之心;武王之卒,三千人皆専而一。故千人同心,則得千人力;万人異心,則無一人之用。将卒吏民,動静如身,乃可以応敵合戦。故計定而発,分決而動,将無疑謀,卒無二心,動無堕容,口無虚言,事無嘗試,応敵必敏,発動必亟。

書き下し

兵 靜かなれば則ち固く、專一なれば則ち威あり、分決すれば則ち勇なり。心 疑えば則ち北げ、力 分かるれば則ち弱し。故に能く人の兵を分かち、人の心を疑わしむれば、則ち錙銖も餘り有り。人の兵を分かち、人の心を疑わしむる能わざれば、則ち數倍も足らず。故に紂の卒は、百萬の心なり。武王の卒は、三千人 皆な專にして一なり。故に千人 心を同じくすれば、則ち千人の力を得。萬人 心を異にすれば、則ち一人の用無し。將卒吏民、動靜 身の如くにして、乃ち以て敵に應じ戰を合わす可し。故に計 定まりて發し、分 決して動く。將に疑謀無く、卒に二心無く、動くに墮容無く、口に虛言無く、事に嘗試無し。敵に應ずること必ず敏く、發動すること必ず亟やかなり。

現代語訳

兵は静かであれば固く、一つにまとまれば威があり、持ち分がはっきりしていれば勇ましい。心が疑えば逃げ、力が分かれれば弱い。だから敵の兵を分け、敵の心を疑わせられれば、こちらはわずかな重さでも余りがある。敵の兵を分け、心を疑わせられなければ、数倍でも足りない。だから紂の兵は、百万人が百万の心だった。武王の兵は、三千人がみな一つにまとまっていた。だから千人が心を同じくすれば、千人分の力を得る。万人が心を異にすれば、一人分の用もない。将も兵も役人も民も、動と静が一つの体のようであってこそ、敵に応じて戦える。だから計が定まってから発し、持ち分が決まってから動く。将に迷った謀がなく、兵に二心がなく、動きに崩れがなく、口に空言がなく、事に試し半分がない。敵に応じることは必ず素早く、動き出すことは必ず速い。

解説

「紂の卒は、百萬の心なり」。百万人が百万の心でばらばらだった、という言い方が痛烈です。対する武王は三千人で一つ。だから「萬人 心を異にすれば、則ち一人の用無し」。人数はそのまま力にならない。前半は敵に対する手も具体的で、兵を分けさせ、心を疑わせられれば、こちらは少数で足りる、と。

この章句が説くこと

兵静かなれば則ち固く専一なれば則ち威あり心疑えば則ち北げ力分かるれば則ち弱し紂の卒は百万の心なり武王の卒は三千人皆な専にして一なり千人心を同じくすれば則ち千人の力を得万人心を異にすれば則ち一人の用無し計定まりて発し分決して動く団結

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