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淮南子 / 覽冥訓

若夫以火能焦木也,因使銷金,則道行矣。若以慈石能運鐵也,而求其引瓦,則難矣。物固不可以輕重論也。夫燧之取火於日,慈石之引鐵,蟹之敗漆,葵之鄉日,雖有明智,弗能然也。故耳目之察,不足以分物理;心意之論,不足以定是非。故以智為治者,難以持國,唯通於太和,而持自然之應者,為能有之。故嶢山崩而薄落之水涸,區冶生而淳鉤之劍成。紂為無道,左強在側;太公並世,故武王之功立。由是觀之,利害之路,禍福之門,不可求而得也。

新字:若夫以火能焦木也,因使銷金,則道行矣。若以慈石能運鉄也,而求其引瓦,則難矣。物固不可以軽重論也。夫燧之取火於日,慈石之引鉄,蟹之敗漆,葵之鄉日,雖有明智,弗能然也。故耳目之察,不足以分物理;心意之論,不足以定是非。故以智為治者,難以持国,唯通於太和,而持自然之応者,為能有之。故嶢山崩而薄落之水涸,区冶生而淳鉤之剣成。紂為無道,左強在側;太公並世,故武王之功立。由是観之,利害之路,禍福之門,不可求而得也。

書き下し

若し夫れ火の能く木を焦がすを以て、因りて金を銷かしむれば、則ち道行わる。若し慈石の能く鐵を運らすを以て、而も其の瓦を引くを求むれば、則ち難し。物は固より輕重を以て論ず可からざるなり。夫れ燧の火を日に取ること、慈石の鐵を引くこと、蟹の漆を敗ること、葵の日に鄉うことは、明智有りと雖も、然る能わざるなり。故に耳目の察は、以て物理を分かつに足らず。心意の論は、以て是非を定むるに足らず。故に智を以て治を為す者は、以て國を持し難し。唯だ太和に通じて、自然の應を持する者のみ、能く之を有つと為す。故に嶢山崩れて薄落の水涸れ、區冶生まれて淳鉤の劍成る。紂 無道を為して、左強 側に在り。太公 世を並べて、故に武王の功立つ。是に由りて之を觀れば、利害の路、禍福の門は、求めて得可からざるなり。

現代語訳

火が木を焦がせるからといって、そのまま金属を溶かさせるならば、道理は通る。だが磁石が鉄を動かせるからといって、瓦を引かせようと求めれば、それは難しい。物はもともと、重い軽いだけで論じることができない。そもそも火取り鏡が日から火を取ること、磁石が鉄を引くこと、蟹が漆を損なうこと、葵が日に向くことは、明るい知恵があっても、そうさせることはできない。だから耳と目の観察では、物の理を分けるに足りない。心と思いの議論では、是非を定めるに足りない。だから知恵で治めようとする者は、国を保つことが難しい。ただ大いなる和に通じ、自然の応じ合いを保つ者だけが、これを持てる。だから嶢山が崩れて薄落の水が涸れ、区冶が生まれて淳鉤の剣ができた。紂が道に外れたことをして、左強がその傍らにいた。太公が同じ世に並んだので、武王の功が立った。これによって見れば、利害の道も、禍福の門も、求めて得られるものではない。

解説

火は木を焦がすから金も溶かす、これは通る。だが磁石が鉄を引くからといって瓦まで引かせようとすれば通らない。「物は固より輕重を以て論ず可からざるなり」。強い弱いの一本の物差しで並べられない、ということです。そこから「耳目の察は、以て物理を分かつに足らず」と続き、観察と議論の限界を言う。人にも同じで、紂の傍らには左強がおり、武王の世には太公がいた。誰と同じ世に居合わせるかは、求めて得られない、と。

この章句が説くこと

火の能く木を焦がすを以て金を銷かしむれば則ち道行わる慈石の能く鉄を運らすを以て其の瓦を引くを求むれば則ち難し物は固より軽重を以て論ず可からず耳目の察は以て物理を分かつに足らず心意の論は以て是非を定むるに足らず智を以て治を為す者は以て国を持し難し適性

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