淮南子 / 時則訓
北方之極,自九澤窮夏晦之極,北至令正之谷,有凍寒積冰、雪雹霜霰、漂潤群水之野,顓頊、玄冥之所司者,萬二千里。其令曰:申群禁,固閉藏,修障塞,繕關梁,禁外徙,斷罰刑,殺當罪,閉關閭,大搜客,止交游,禁夜樂,蚤閉晏開,以塞姦人,已德,執之必固。天節已幾,刑殺無赦,雖有盛尊之親,斷以法度。毋行水,毋發藏,毋釋罪。
新字:北方之極,自九沢窮夏晦之極,北至令正之谷,有凍寒積冰、雪雹霜霰、漂潤群水之野,顓頊、玄冥之所司者,万二千里。其令曰:申群禁,固閉蔵,修障塞,繕関梁,禁外徙,断罰刑,殺当罪,閉関閭,大捜客,止交游,禁夜楽,蚤閉晏開,以塞姦人,已徳,執之必固。天節已幾,刑殺無赦,雖有盛尊之親,断以法度。毋行水,毋発蔵,毋釈罪。
書き下し
北方の極、九澤より夏晦の極を窮め、北のかた令正の谷に至る、凍寒積冰・雪雹霜霰・漂潤群水の野有り、顓頊・玄冥の司る所の者、萬二千里。其の令に曰く、群禁を申べ、閉藏を固くし、障塞を修め、關梁を繕い、外徙を禁じ、罰刑を斷じ、當罪を殺し、關閭を閉じ、大いに客を搜し、交游を止め、夜樂を禁じ、蚤く閉じ晏く開き、以て姦人を塞ぎ、德を已め、之を執ること必ず固くす。天節已に幾く、刑殺赦す無し、盛尊の親有りと雖も、斷ずるに法度を以てす。水を行る毋かれ、藏を發く毋かれ、罪を釋す毋かれ、と。
現代語訳
北の果ては、九つの沢から夏でも暗い極みを窮め、北は令正の谷に至るまで、凍る寒さと積もる氷、雪と雹と霜と霰、水の広がる野があり、顓頊と玄冥の司るところ、一万二千里である。その令はこう言う。もろもろの禁を申し渡し、蔵を固く閉ざし、堰を修め、関所と橋を繕い、外へ移ることを禁じ、刑罰を裁断し、罪に当たる者を処し、関と門を閉じ、よそ者をよく調べ、行き来を止め、夜の遊びを禁じ、早く閉め遅く開けて、悪しき者を塞ぎ、恵みを与えるのをやめ、守りを必ず固くする。天の区切りはすでに尽きようとしており、刑と処罰に赦しはない。たとえ地位の高い身内であっても、法度によって断ずる。水を通してはならず、蔵を開いてはならず、罪を赦してはならない。
解説
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『淮南子』時則訓南方の極、北戶孫の外より、顓頊の國を貫き、南のかた委火炎風の野に至る、赤帝・祝融の司る所の者、萬二千里。其の令に曰く、有德に爵し、有功に賞し、賢良に惠し、飢渴を救い、力農を舉げ、貧窮を振い、孤寡を惠し、罷疾を憂え、大祿を出だし、大賞を行い、毀宗を起こし、無後を立て、侯を封建し、賢輔を立つ、と。
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『淮南子』時則訓西方の極、昆侖より流沙・沈羽を絕ち、西のかた三危の國、石城金室、氣を飲むの民、不死の野に至る、少皞・蓐收の司る所の者、萬二千里。其の令に曰く、法を用うるを審らかにし、必辜を誅し、盜賊に備え、姦邪を禁じ、群牧を飾り、著聚を謹み、城郭を修め、決竇を補い、蹊徑を塞ぎ、溝瀆を遏め、流水を止め、谿谷を雝ぎ、門閭を守り、兵甲を陳ね、百官を選び、不法を誅す、と。
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『淮南子』時則訓中央の極、昆侖より東のかた兩恆山を絕ち、日月の道する所、江・漢の出づる所、眾民の野、五穀の宜しき所、龍門・河・濟相い貫き、息壤を以て洪水を堙ぐの州、東のかた碣石に至る、黃帝・后土の司る所の者、萬二千里。其の令に曰く、平らかにして阿らず、明らかにして苛ならず、包裹覆露して、囊懷せざる無く、溥氾にして私無く、正靜以て和し、稃鬻を行い、老衰を養い、死を弔い疾を問い、以て萬物の歸するを送る、と。
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『淮南子』時則訓孟春と孟秋とは合を為し、仲春と仲秋とは合を為し、季春と季秋とは合を為し、孟夏と孟冬とは合を為し、仲夏と仲冬とは合を為し、季夏と季冬とは合を為す。孟春は始めて贏ち、孟秋は始めて縮まる。仲春は始めて出で、仲秋は始めて內る。季春は大いに出で、季秋は大いに內る。孟夏は始めて緩く、孟冬は始めて急なり。仲夏は修きに至り、仲冬は短きに至る。季夏は德畢わり、季冬は刑畢わる。故に正月に政を失えば、七月に涼風至らず。二月に政を失えば、八月に雷藏れず。三月に政を失えば、九月に霜下らず。四月に政を失えば、十月に凍らず。五月に政を失えば、十一月に蟄蟲冬に其の鄉を出づ。六月に政を失えば、十二月に草木脫せず。七月に政を失えば、正月に大寒解けず。八月に政を失えば、二月に雷發せず。九月に政を失えば、三月に春風濟らず。十月に政を失えば、四月に草木實らず。十一月に政を失えば、五月に雹霜下る。十二月に政を失えば、六月に五穀疾狂す。春に夏令を行えば泄れ、秋令を行えば水あり、冬令を行えば肅たり。夏に春令を行えば風あり、秋令を行えば蕪れ、冬令を行えば格る。秋に夏令を行えば華さき、春令を行えば榮え、冬令を行えば耗る。冬に春令を行えば泄れ、夏令を行えば旱し、秋令を行えば霧る。
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『淮南子』時則訓季冬の月、招搖は丑を指し、昏に婁中し、旦に氐中す。其の位は北方、其の日は壬癸、其の蟲は介、其の音は羽、律は大呂に中たり、其の數は六、其の味は鹹、其の臭は腐、其の祀は井、祭には腎を先にす。鴈北に鄉い、鵲巢を加え、雉雊き、雞卵を呼ぶ。天子は黑衣を衣、鐵驪に乘り、玄玉を服し、玄旗を建て、麥と彘とを食らい、八風の水を服し、松を爨き火を燧り、北宮の御女は黑色、黑采を衣、磬石を擊ち、其の兵は鎩、其の畜は彘、玄堂の右丢に朝す。有司に命じ、大いに儺し旁く磔し、土牛を出ださしむ。漁師に命じて始めて漁せしめ、天子親ら往きて漁を射、先ず寢廟に薦む。民をして五種を出ださしめ、農をして耦耕の事を計り、耒耜を修め、田器を具えしむ。樂師に命じて大いに合吹して罷めしむ。乃ち四監に命じ、秩薪を收め、以て寢廟及び百祀の薪燎に供せしむ。是の月や、日は次に窮まり、月は紀に窮まり、星は天を周り、歲將に更め始まらんとす。農民を靜かならしめ、使う所有る無かれ。天子乃ち公卿大夫と國典を飾り、時令を論じ、以て嗣歲の宜しきを待つ。乃ち太史に命じ、諸侯の列を次で、之に犧牲を賦し、以て皇天上帝社稷の芻享に供せしむ。乃ち同姓の國に命じ、寢廟の芻豢を供せしめ、卿士大夫より庶民に至るまで、山林名川の祀を供せしむ。季冬に秋令を行えば、則ち白露早く降り、介蟲䄏を為し、四鄙保に入る。春令を行えば、則ち胎夭傷れ、國に痼疾多し。之を命じて逆と曰う。夏令を行えば、則ち水潦國を敗り、時雪降らず、冰凍消釋す。十二月は獄を官とし、其の樹は櫟なり。