淮南子 / 天文訓
困敦之歲:歲大霧起,大水出,蠶、稻、菽、麥昌,民食三斗,子。在癸曰昭陽。赤奮若之歲:歲有小兵,早水,蠶不出,稻疾,菽不爲,麥昌,民食一升。正朝夕,先樹一表東方,操一表卻去前表十步,以參望日始出北廉。日直入,又樹一表於東方,因西方之表以參望日,方入北廉則定東方。兩表之中,與西方之表,則東西之正也。日冬至,日出東南維,入西南維。至春、秋分,日出東中,入西中。夏至,出東北維,入西北維,至則正南。
新字:困敦之歳:歳大霧起,大水出,蠶、稲、菽、麦昌,民食三斗,子。在癸曰昭陽。赤奮若之歳:歳有小兵,早水,蠶不出,稲疾,菽不為,麦昌,民食一升。正朝夕,先樹一表東方,操一表却去前表十歩,以参望日始出北廉。日直入,又樹一表於東方,因西方之表以参望日,方入北廉則定東方。両表之中,与西方之表,則東西之正也。日冬至,日出東南維,入西南維。至春、秋分,日出東中,入西中。夏至,出東北維,入西北維,至則正南。
書き下し
困敦の歲は、歲に大霧起こり、大水出で、蠶・稻・菽・麥昌んなり。民の食三斗、子なり。癸に在るを昭陽と曰う。赤奮若の歲は、歲に小兵有り、早くに水あり、蠶出でず、稻疾み、菽爲らず、麥昌んなり。民の食一升。朝夕を正すには、先ず一表を東方に樹て、一表を操りて卻きて前表を去ること十歩にして、以て日の始めて出づる北廉を參望す。日直ちに入らば、又た一表を東方に樹て、西方の表に因りて以て日を參望し、方に北廉に入らば則ち東方定まる。兩表の中と、西方の表とは、則ち東西の正なり。日冬至には、日は東南の維に出で、西南の維に入る。春分・秋分に至れば、日は東の中に出で、西の中に入る。夏至には、東北の維に出で、西北の維に入り、至れば則ち正南なり。
現代語訳
困敦の年は、大きな霧が起こり、大水が出て、蚕・稲・豆・麦がみな盛んである。民の食は三斗、子である。癸にあるのを昭陽という。赤奮若の年は、年に小さな戦があり、早くに水害があり、蚕は出ず、稲は病み、豆は実らず、麦は盛んである。民の食は一升。朝夕の方角を正すには、まず一本の表を東に立て、もう一本の表を持って退き、前の表から十歩離れて、日が出始める北の縁を透かして見る。日がまさに入るとき、また一本の表を東に立て、西の表を通して日を透かして見て、ちょうど北の縁に入れば東の方角が定まる。二本の表の中間と、西の表を結んだ線が、東西の正しい方角である。冬至には、日は東南の維から出て、西南の維に入る。春分と秋分になれば、日は東の真ん中から出て、西の真ん中に入る。夏至には、東北の維から出て、西北の維に入り、南中すれば真南になる。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』天文訓協洽の歲は、歲に小兵有り、蠶登り、稻昌んに、菽・麥爲らず。民の食三升、未なり。己に在るを屠維と曰う。涒灘の歲は、歲和し、小雨行き、蠶登り、菽・麥昌んなり。民の食三升、申なり。庚に在るを上章と曰う。作鄂の歲は、歲に大兵有り、民疾み、蠶登らず、菽・麥爲らず、禾蟲つく。民の食五升、酉なり。辛に在るを重光と曰う。掩茂の歲は、歲小しく饑え、兵有り、蠶登らず、麥爲らず、菽昌んなり。民の食七升、戌なり。壬に在るを玄黓と曰う。大淵獻の歲は、歲に大兵有り、大いに饑え、蠶開き、菽・麥爲らず、禾蟲つく。民の食三升。
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『淮南子』天文訓東西・南北廣袤の數を知らんと欲せば、四表を立てて以て方一里の韵と為し、先ず春分若しくは秋分の十餘日、韵の北表より日の始めて出づる及び旦を參望し、以て相い應ずるを候う。相い應ずれば則ち此れ日と直なり。輒ち南表を以て之を參望し、前表に入る數を以て法と為し、除して廣を舉げ、除して表の袤を立て、以て此より東西の數を知るなり。假使い日の出づるを視て、前表に入ること一寸ならば、是れ寸ごとに一里を得るなり。一里の積は萬八千寸、此より東に萬八千里を得。日の方に入るを視て、前表に入ること半寸ならば、則ち半寸ごとに一里を得。半寸にして一里の積寸を除すれば、三萬六千里を得。除すれば則ち此より西の里數なり。之を并すれば東西の里數なり、則ち極徑なり。未だ春分ならずして直なり、已に秋分にして直ならざるは、此れ南に處るなり。未だ秋分ならずして直なり、已に春分にして直ならざるは、此れ北に處るなり。分・至にして直なるは、此れ南北の中に處るなり。中處より南北の極の遠近を知らんと欲せば、西南の表より日を參望し、日夏至に始めて出づるとき北表と參すれば、則ち是れ東と東北の表と等し。正東萬八千里なれば、則ち中より北も亦た萬八千里なり。之を倍すれば、南北の里數なり。其の中に從わざるの數は、前表に出入する數を以て之を益損す。表に入ること一寸なれば、寸ごとに日近きこと一里を減じ、表に出づること一寸なれば、寸ごとに遠きこと一里を益す。天の高きを知らんと欲せば、表を樹つること高さ一丈、正しく南北に相い去ること千里にして、同じ日に其の陰を度る。北表は一尺、南表は一尺九寸なれば、是れ南のかた千里にして陰は一寸短し。南のかた二萬里なれば則ち景無し。是れ直ちに日の下なり。陰二尺にして高さ一丈を得るは、南に一にして高きこと五なり。則ち此より南のかた日の下に至る里數を置き、因りて之を五すれば、十萬里と為る。則ち天の高さなり。若し景と表とを等しからしむれば、則ち高きと遠きと等し。
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『淮南子』天文訓太陰巳に在れば、歲名を大荒落と曰い、歲星は奎・婁に舍り、二月を以て之と晨に東方に出で、角・亢を對と爲す。太陰午に在れば、歲名を敦牂と曰い、歲星は胃・昴・畢に舍り、三月を以て之と晨に東方に出で、氐・房・心を對と爲す。太陰未に在れば、歲名を協洽と曰い、歲星は觜雟・參に舍り、四月を以て之と晨に東方に出で、尾・箕を對と爲す。太陰申に在れば、歲名を涒灘と曰い、歲星は東井・輿鬼に舍り、五月を以て之と晨に東方に出で、斗・牽牛を對と爲す。太陰酉に在れば、歲名を作鄂と曰い、歲星は柳・七星・張に舍り、六月を以て之と晨に東方に出で、須女・虚・危を對と爲す。
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