淮南子 / 天文訓
甲齊,乙東夷,丙楚,丁南夷,戊魏,己韓,庚秦,辛西夷,壬衛,癸越,子周,丑翟,寅楚,卯鄭,辰晉,巳衛,午秦,未宋,申齊,酉魯,戌趙,亥燕。甲乙寅卯,木也;丙丁巳午,火也;戊己四季,土也;庚辛申酉,金也;壬癸亥子,水也。水生木,木生火,火生土,土生金,金生水。子生母曰義,母生子曰保,子母相得曰專,母勝子曰制,子勝母曰困。
新字:甲斉,乙東夷,丙楚,丁南夷,戊魏,己韓,庚秦,辛西夷,壬衛,癸越,子周,丑翟,寅楚,卯鄭,辰晋,巳衛,午秦,未宋,申斉,酉魯,戌趙,亥燕。甲乙寅卯,木也;丙丁巳午,火也;戊己四季,土也;庚辛申酉,金也;壬癸亥子,水也。水生木,木生火,火生土,土生金,金生水。子生母曰義,母生子曰保,子母相得曰専,母勝子曰制,子勝母曰困。
書き下し
甲は齊、乙は東夷、丙は楚、丁は南夷、戊は魏、己は韓、庚は秦、辛は西夷、壬は衛、癸は越、子は周、丑は翟、寅は楚、卯は鄭、辰は晉、巳は衛、午は秦、未は宋、申は齊、酉は魯、戌は趙、亥は燕なり。甲乙寅卯は、木なり。丙丁巳午は、火なり。戊己四季は、土なり。庚辛申酉は、金なり。壬癸亥子は、水なり。水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生ず。子母を生ずるを義と曰い、母子を生ずるを保と曰い、子母相い得るを專と曰い、母子に勝つを制と曰い、子母に勝つを困と曰う。
現代語訳
甲は斉、乙は東夷、丙は楚、丁は南夷、戊は魏、己は韓、庚は秦、辛は西夷、壬は衛、癸は越である。子は周、丑は翟、寅は楚、卯は鄭、辰は晋、巳は衛、午は秦、未は宋、申は斉、酉は魯、戌は趙、亥は燕である。甲乙と寅卯は木である。丙丁と巳午は火である。戊己と四季の土用は土である。庚辛と申酉は金である。壬癸と亥子は水である。水は木を生み、木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生む。子が母を生むのを義といい、母が子を生むのを保といい、子と母が互いに得るのを専といい、母が子に勝つのを制といい、子が母に勝つのを困という。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』天文訓凡そ日は、甲は剛、乙は柔、丙は剛、丁は柔、以て癸に至る。木は亥に生じ、卯に壯んに、未に死す。三辰皆な木なり。火は寅に生じ、午に壯んに、戌に死す。三辰皆な火なり。土は午に生じ、戌に壯んに、寅に死す。三辰皆な土なり。金は巳に生じ、酉に壯んに、丑に死す。三辰皆な金なり。水は申に生じ、子に壯んに、辰に死す。三辰皆な水なり。故に五は一を生ずるに勝ち、五に壯んに、九に終わる。五九四十五、故に神は四十五日にして一たび徙る。三を以て五に應ず。故に八たび徙りて歲終わる。
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五行大義・第六論五行相雑・二論支干雑支干の雑とは、五行書に云う、甲は女弟乙を以て庚に嫁がせて妻と為す。故に乙中に雑金有り。立春に木王たれば、甲、乙を召して還らしむ。乙は金気を懐きて来たる。故に仲春に楡莢(ゆきょう)を殺して白きなり。丙は女弟丁を以て壬に嫁がせて妻と為す。丁中に雑水有り。立夏に火王たれば、丙、丁を召して還らしむ。丁は水気を懐きて来たる。故に仲夏に桑椹(そうじん)熟して黒きなり。戊は女弟己を以て甲に嫁がせて妻と為す。己中に雑木有り。季夏に土王たれば、戊、己を召して還らしむ。己は木気を懐きて来たる。故に季夏に果実の青き有るなり。庚は女弟辛を以て丙に嫁がせて妻と為す。辛中に雑火有り。立秋に金王たれば、庚、辛を召して還らしむ。辛は火気を懐きて来たる。故に仲秋に棗(なつめ)熟して朱きなり。壬は女弟癸を以て戊に嫁がせて妻と為す。癸中に雑土有り。立冬に水王たれば、壬、癸を召して還らしむ。癸は土気を懐きて来たる。故に仲冬に草木皆黄なるなり。甲丙戊庚壬は男たりて剛強、故に自ら徳有りて雑らず。乙丁己辛癸は女たりて柔弱、自ら専らにせず、夫に従う、故に雑有り。猶お出嫁の女、即ち夫の氏を称し、帰寧の日、子を携えて来たれば、氏族便ち雑るがごとし。五行十雑に云う、甲は木たり、乙は材たり、丙は火たり、丁は灰たり、戊は土たり、己は泥たり、庚は金たり、辛は鑪銻(ろてい)たり、壬は水たり、癸は濁汙(だくお)たり、と。此れ皆雑の義なり。寅卯は木たり。春は火を懐く、故に卯は純木たり、寅は雑木たり。巳午は火たり。夏は土を懐く、故に午は純火たり、巳は雑火たり。申酉は金たり。秋は水を懐く、故に酉は純金たり、申は雑金たり。亥子は水たり。冬は木を懐く、故に子は純水たり、亥は雑水たり。土は中央に居り、分かちて四気を主る。故に辰中に余木有り、未中に余火有り、戌中に余金有り、丑中に余水有り、各十二日なり。故に四孟は懐任たり、生気の由る所なり。四仲は盛壮の立つ所なり。四季は葬送の在る所なり。懐任及び葬には、皆雑の義有り。
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五行大義・第五論配支幹支干の義、多く配合する所あり。今略して方位及び配する所を論ず。幹は独り立たず、支は虚しく設けず、要ず配合を須(ま)ちて、以て歳月日時を定めて用う。君臣夫婦の、必ず配合して以て相成すが如し。総じて之を言えば、甲より癸に至るまでは、陽たり、干たり、日たり。寅より丑に至るまでは、陰たり、支たり、辰たり。別ちて之を言えば、干は則ち甲丙戊庚壬を陽と為し、乙丁己辛癸を陰と為す。支は則ち寅辰午申戌子を陽と為し、卯巳未酉亥丑を陰と為す。陽は則ち剛たり、君たり、夫たり、上たり、外たり、表たり、動たり、進たり、起たり、仰たり、前たり、左たり、徳たり、施たり、開たり。陰は則ち柔たり、臣たり、妻たり、妾たり、財たり、下たり、内たり、裏たり、止たり、退たり、伏たり、俯たり、後たり、右たり、刑たり、蔵たり、閉たり。陰陽の擬する所、例多くして且つ略す。大綱此くの如し。甲乙寅卯は木なり、位は東方に在り。丙丁巳午は火なり、位は南方に在り。戊己辰戌丑未は土なり、位は中央に在り、四季に分王し、丙丁に寄治す。庚辛申酉は金なり、位は西方に在り。壬癸亥子は水なり、位は北方に在り。甲は干の首たり、子は支の初めたり。相配するは、太陽の気、黄泉の下に動くは、建子の月に在り、黄鐘(こうしょう)の律、気の源たるは子に在り、故に子を以て先と為す。万物湊(あつ)まり出づるは、建寅の月に於いてし、皆以て形を見(あら)わす。甲は此の月に属す、故に甲を以て先と為して、子に配す。見わるる者は陽たり、故に干に従う。未だ見われざる者は陰たり、故に支に従う。所以に甲子を用いて相配し、六旬の始めと為す。干既に十有り、支は十二有り、輪転して相配し、癸亥に終わる。故に六十日有り。十日を一旬とす、故に六旬有り。一旬に一たび甲癸を尽くす。便ち甲を以て子に配して干を尽くせば、
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五行大義・第三明数・第二論五行及生成数天の九は地四の偶たるなり。地の十は天五の匹たるなり。陰陽各おの合う有りて、然る後に気性相得て、施化行わるるなり。故に四時の運、五行に成る。土は四行を総べ、時の季に居りて、以て之を成すなり。五行伝及び白虎通、皆云う、「木は土に非ざれば生ぜず、根核茂栄す。火は土に非ざれば栄えず、木を得て形を著す。金は土に非ざれば成らず、範に入りて名を成す。水は土に非ざれば停まらず、隄防して盈つるを禁ず。土は微を扶け衰えを助け、其の道を成すに応ず」と。故に五行更互に土を須(ま)つ。土は四季に王として中央に居り、名を以て時を成さず。故に知る、同時に倶に起こり、但だ義を託して相生ずることを。伝に曰く、「五行並び起こり、各おの名を以て別つ」と。常に数に従う義に云う、北方の亥子は水なり、生数は一。丑は土なり、生数は五。一と五と相得て六と為る。故に水の成数は六なり。東方の寅卯は木なり、生数は三。辰は土なり、生数は五。三と五と相得て八と為る。故に木の成数は八なり。南方の巳午は火なり、生数は二。未は土なり、生数は五。二と五と相得て七と為る。故に火の成数は七なり。西方の申酉は金なり、生数は四。戌は土なり、生数は五。四と五と相得て九と為る。故に金の成数は九なり。中央の戊己は土なり、生数は五。又土の位は中に在り、其の数本五。両五相得て十と為る。故に土の成数は十なり。此れ陰陽両気各おの一周するなり。
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五行大義・第一釈名・第二論支干名戊(ぼ)は買(貿)なり。生長既に極まる。極まれば則ち成りて前体を買(貿)易するに応ずるなり。己(き)は紀なり。物既に始めて成り、条紀有るなり。鄭玄云う、「戊の言は茂なり。己の言は起なり。万物皆枝葉茂盛し、其の秀を含む者抑屈して起つを謂うなり」と。庚(こう)は更なり。辛(しん)は新なり。万物成りて代わり、改め更めて復た新たなるを謂うなり。鄭玄云う、「万物皆粛然として改め更まり、秀実新たに成るを謂うなり」と。壬(じん)は任なり。癸(き)は揆なり。陰、陽を任(はら)み、揆然として物に萌牙(ほうが)するなり。鄭玄云う、「時維(こ)れ閉蔵し、万物は下に懐任し、揆然として萌牙するなり」と。子(し)は孳なり。陽気既に動き、万物孳萌(じぼう)す。三礼義宗に云う、「陽気至りて、孳養して生ず」と。丑(ちゅう)は紐なり。紐は繋なり。萌を続けて長を繋ぐなり。故に曰く、「子に孳萌し、丑に紐牙す」と。三礼義宗に云う、「終始の際に居るを言う、故に紐結を以て名と為す」と。寅(いん)は移なり。亦た引と云うなり。物の牙稍く吐き、引きて之を申ばし、地より移り出づるなり。淮南子に云う、「寅は螾(いん)として動き生ずるなり」と。三礼義宗に云う、「寅は引なり。肆建の義なり」と。卯(ぼう)は冒なり。物生長して大いに、地を覆い冒すなり。淮南子に云う、「丣(ぼう)は茂なり。茂は然なり」と。三礼義宗に云う、「丣は茂なり。陽気此に至り、物生じて滋茂す」と。辰(しん)は震なり。震動奮迅して、其の故体を去るなり。三礼義宗に云う、「此の月の時、物尽く震動して長ず」と。巳(し)は巳なり。
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五行大義・第四論相生・三者論四時休王趙怡(ちょうい)云う、五行の位、其の方を得るを盛と為し、其の畏るる所を得るを終と為す。故に木は金を畏る。甲は女弟乙を以て庚に妻(めあわ)す。庚は木の気を得、故に木は金郷に胎して、水中に生じ、其の方に盛んに、火郷に衰う。火中に生金有り、故に未に終わる。西方に至りて木終わるは、金王たるを以てなり。丙は女弟丁を以て壬に妻す。壬は火の気を得、故に火は水郷に胎し、木中に生じ、其の方に盛んに、金の位に衰え、北方に至りて終わるは、水王たるを以てなり。戊は女弟己を以て甲に妻す。甲は土の気を得、故に土は木郷に胎して、火中に生じ、其の位に盛んに、水郷に衰え、東方に至りて終わるは、木王たるを以てなり。庚は女弟辛を以て丙に妻す。丙は金の気を得、故に金は火郷に胎し、火の位に生じ、其の方に盛んに、水郷に衰え、東方に至りて終わるは、生火有ればなり。壬は女弟癸を以て戊に妻す。戊は水の気を得、故に水は土郷に胎し、金中に生じ、其の方に盛んに、木郷に衰え、南方に至りて終わるは、強土有ればなり。更互に相生じ相畏れ、終始絶えざるの義なり。

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