淮南子 / 天文訓
何謂五官?東方為田,南方為司馬,西方為理,北方為司空,中央為都。何謂六府?子午、丑未、寅申、卯酉、辰戌、巳亥是也。太微者,太一之庭也。紫宮者,太一之居也。軒轅者,帝妃之舍也。咸池者,水魚之囿也。天阿者,群神之闕也。四宮者,所以為司賞罰。太微者主朱雀,紫宮執斗而左旋,日行一度,以周於天。日冬至峻狼之山,日移一度,凡行百八十二度八分度之五,而夏至牛首之山。反覆三百六十五度四分度之一而成一歲。天一元始,正月建寅,日月俱入營室五度。天一以始建七十六歲,日月復以正月入營室五度,無餘分,名曰一紀。凡二十紀,一千五百二十歲大終,日月星辰復始甲寅元。日行一度,而歲有奇四分度之一,故四歲而積千四百六十一日而復合故舍,八十歲而復故日。
新字:何謂五官?東方為田,南方為司馬,西方為理,北方為司空,中央為都。何謂六府?子午、丑未、寅申、卯酉、辰戌、巳亥是也。太微者,太一之庭也。紫宮者,太一之居也。軒轅者,帝妃之舎也。咸池者,水魚之囿也。天阿者,群神之闕也。四宮者,所以為司賞罰。太微者主朱雀,紫宮執斗而左旋,日行一度,以周於天。日冬至峻狼之山,日移一度,凡行百八十二度八分度之五,而夏至牛首之山。反覆三百六十五度四分度之一而成一歳。天一元始,正月建寅,日月倶入営室五度。天一以始建七十六歳,日月復以正月入営室五度,無余分,名曰一紀。凡二十紀,一千五百二十歳大終,日月星辰復始甲寅元。日行一度,而歳有奇四分度之一,故四歳而積千四百六十一日而復合故舎,八十歳而復故日。
書き下し
何をか五官と謂う。東方を田と為し、南方を司馬と為し、西方を理と為し、北方を司空と為し、中央を都と為す。何をか六府と謂う。子午、丑未、寅申、卯酉、辰戌、巳亥是れなり。太微なる者は、太一の庭なり。紫宮なる者は、太一の居なり。軒轅なる者は、帝妃の舍なり。咸池なる者は、水魚の囿なり。天阿なる者は、群神の闕なり。四宮なる者は、賞罰を司ると為す所以なり。太微なる者は朱雀を主る。紫宮は斗を執りて左旋し、日に一度を行き、以て天に周る。日は冬至に峻狼の山にあり、日ごとに一度を移し、凡そ百八十二度と八分度の五を行きて、夏至に牛首の山にあり。反覆すること三百六十五度と四分度の一にして一歲を成す。天一の元始、正月寅に建ち、日月俱に營室五度に入る。天一以て始建して七十六歳、日月復た正月を以て營室五度に入り、餘分無し。名づけて一紀と曰う。凡そ二十紀、一千五百二十歳にして大いに終わり、日月星辰復た甲寅の元に始まる。日に一度を行きて、歲に奇の四分度の一有り。故に四歳にして千四百六十一日を積みて復た故の舍に合し、八十歳にして故の日に復す。
現代語訳
五官とは何か。東方を田とし、南方を司馬とし、西方を理とし、北方を司空とし、中央を都とする。六府とは何か。子と午、丑と未、寅と申、卯と酉、辰と戌、巳と亥がそれである。太微は太一の庭である。紫宮は太一の住まいである。軒轅は帝の妃の宿である。咸池は水と魚の園である。天阿は多くの神の門である。四宮は賞罰を司るためのものである。太微は朱雀を司る。紫宮は斗を執って左に回り、一日に一度を行き、それで天を巡る。日は冬至に峻狼の山にあり、一日ごとに一度を移し、合わせて百八十二度と八分の五度を行いて、夏至に牛首の山に至る。往復して三百六十五度と四分の一度で一年を成す。天一の元始は、正月に寅に立ち、日と月がともに営室の五度に入る。天一が立ってから七十六年で、日と月がまた正月に営室の五度に入り、端数がなくなる。これを一紀という。二十紀、千五百二十年で大きく終わり、日月星辰はまた甲寅の元に始まる。一日に一度を行いて、一年に四分の一度の端数がある。だから四年で千四百六十一日を積んで元の宿に合い、八十年で元の日に戻る。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』天文訓斗杓を小歲と為し、正月寅に建ち、月ごとに左に從いて十二辰を行く。咸池を太歲と為し、二月卯に建ち、月ごとに右に從いて四仲を行き、終わりて復た始まる。太歲は迎うる者は辱められ、背く者は強く、左する者は衰え、右する者は昌んなり。小歲は東南すれば則ち生じ、西北すれば則ち殺す。迎う可からずして背く可きなり、左す可からずして右す可きなり。其れ此の謂いなり。大時なる者は、咸池なり。小時なる者は、月建なり。天維元を建つるは、常に寅を以て始起し、右に徙りて一歲にして移り、十二歲にして大いに天を周り、終わりて復た始まる。淮南元年の冬、太一は丙子に在り、冬至は甲午、立春は丙子なり。二陰一陽は氣二を成し、二陽一陰は氣三を成す。氣を合わせて音と為し、陰を合わせて陽と為し、陽を合わせて律と為す。故に五音六律と曰う。音は自ら倍して日と為り、律は自ら倍して辰と為る。故に日は十にして辰は十二なり。月は日に十三度と七十六分度の二十六を行き、二十九日と九百四十分日の四百九十九にして月と為し、十二月を以て歲と為す。歲に餘り十日と九百四十分日の八百二十七有り。故に十九歲にして七たび閏す。日は冬至に子午、夏至に卯酉。冬至に三日を加うれば、則ち夏至の日なり。歲ごとに六日を遷し、終わりて復た始まる。
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『淮南子』天文訓夏日至れば則ち陰陽に乘ず。是を以て萬物就きて死す。冬日至れば則ち陽陰に乘ず。是を以て萬物仰ぎて生ず。晝なる者は陽の分、夜なる者は陰の分なり。是を以て陽氣勝てば則ち日修くして夜短く、陰氣勝てば則ち日短くして夜修し。帝四維を張り、之を運らすに斗を以てす。月ごとに一辰を徙り、復た其の所に反る。正月は寅を指し、十二月は丑を指し、一歲にして匝り、終わりて復た始まる。寅を指せば、則ち萬物螾螾たるなり、律は太蔟を受く。太蔟なる者は、蔟りて未だ出でざるなり。卯を指せば、卯は則ち茂茂然たり、律は夾鐘を受く。夾鐘なる者は、種始めて莢するなり。辰を指せば、辰は則ち之を振るうなり、律は姑洗を受く。姑洗なる者は、陳きもの去りて新しきもの來たるなり。巳を指せば、巳は則ち生已に定まるなり、律は仲呂を受く。仲呂なる者は、中充ちて大なるなり。午を指せば、午なる者は、忤なり、律は蕤賓を受く。蕤賓なる者は、安んじて服するなり。未を指せば、未は、昧なり、律は林鐘を受く。林鐘なる者は、引きて止むるなり。申を指せば、申なる者は、之を呻くなり、律は夷則を受く。夷則なる者は、其の則を易うるなり、德以て去るなり。酉を指せば、酉なる者は、飽なり、律は南呂を受く。南呂なる者は、任じて大を包むなり。戌を指せば、戌なる者は、滅なり、律は無射を受く。無射は、入りて厭く無きなり。亥を指せば、亥なる者は、閡なり、律は應鐘を受く。應鐘なる者は、其の鐘に應ずるなり。子を指せば、子なる者は、茲なり、律は黃鐘を受く。黃鐘なる者は、鐘已に黃なるなり。丑を指せば、丑なる者は、紐なり、律は大呂を受く。大呂なる者は、旅旅として去るなり。其の卯酉に加うれば、則ち陰陽分かれ、日夜平らかなり。故に曰く、規は生じ矩は殺し、衡は長じ權は藏し、繩は中央に居りて、四時の根と為る、と。
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『淮南子』天文訓凡そ太陰を用うるには、左に刑を前にし、右に德を背にし、鉤陳の衝辰を擊つ。以て戰えば必ず勝ち、以て攻むれば必ず剋つ。天道を知らんと欲せば、日を以て主と爲し、六月心に當たり、左に周りて行き、分かちて十二月と爲し、日と相い當たる。天地重襲すれば、後に必ず殃無し。星は正月に營室に建ち、二月に奎・婁に建ち、三月に胃に建ち、四月に畢に建ち、五月に東井に建ち、六月に張に建ち、七月に翼に建ち、八月に亢に建ち、九月に房に建ち、十月に尾に建ち、十一月に牽牛に建ち、十二月に虚に建つ。星の分度は、角十二、亢九、氐十五、房五、心五、尾十八、箕十一と四分の一、斗二十六、牽牛八、須女十二、虚十、危十七、營室十六、東壁九、奎十六、婁十二、胃十四、昴十一、畢十六、觜雟二、參九、東井三十、輿鬼四、柳十五、星七、張・翼各ミ十八、軫十七。凡そ二十八宿なり。
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『淮南子』天文訓太陰戌に在れば、歲名を閹茂と曰い、歲星は翼・軫に舍り、七月を以て之と晨に東方に出で、營室・東壁を對と爲す。太陰亥に在れば、歲名を大淵獻と曰い、歲星は角・亢に舍り、八月を以て之と晨に東方に出で、奎・婁を對と爲す。太陰子に在れば、歲名を困敦と曰い、歲星は氐・房・心に舍り、九月を以て之と晨に東方に出で、胃・昴・畢を對と爲す。太陰丑に在れば、歲名を赤奮若と曰い、歲星は尾・箕に舍り、十月を以て之と晨に東方に出で、觜雟・參を對と爲す。太陰甲子に在れば、刑德東方の宮に合し、常に勝たざる所に徙り、四歲を合して離れ、離るること十六歲にして復た合す。離るる所以の者は、刑中宮に入るを得ずして、木に徙ればなり。太陰の居る所の日を德と爲し、辰を刑と爲す。德は、綱日にして自ら倍し因り、柔日にして勝たざる所に徙る。刑は、水は辰の木、木は辰の水にして、金・火は其の處に立つ。凡そ諸神を徙すに、朱鳥は太陰の前一に在り、鉤陳は後三に在り、玄武は前五に在り、白虎は後六に在り、虚星は鉤陳に乘りて天地襲る。
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『淮南子』天文訓天地以て設けられ、分かれて陰陽と爲る。陽は陰に生じ、陰は陽に生ず。陰陽相い錯わりて、四維乃ち通じ、或いは死し或いは生じ、萬物乃ち成る。蚑行喙息、人より貴きは莫し。孔竅肢體、皆な天に通ず。天に九重有り、人にも亦た九竅有り。天に四時有り、以て十二月を制す。人にも亦た四肢有り、以て十二節を使う。天に十二月有り、以て三百六十日を制す。人にも亦た十二肢有り、以て三百六十節を使う。故に事を舉げて天に順わざる者は、其の生を逆らう者なり。日冬至を以て來歲の正月朔日を數え、五十日なる者は、民の食足る。五十日に滿たざれば、日に一斗を減じ、餘る日有れば、日に一升を益す。其の歲司有るなり。
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『淮南子』天文訓壬午に冬至し、甲子制を受け、木事を用い、火煙青し。七十二日にして丙子制を受け、火事を用い、火煙赤し。七十二日にして戊子制を受け、土事を用い、火煙黃なり。七十二日にして庚子制を受け、金事を用い、火煙白し。七十二日にして壬子制を受け、水事を用い、火煙黑し。七十二日にして歲終わり、庚子制を受く。歲ごとに六日を遷し、數を以て之を推せば、七十歲にして復た甲子に至る。甲子制を受くれば則ち柔惠を行い、群禁を挺き、闔扇を開き、障塞を通じ、木を伐る毋かれ。丙子制を受くれば則ち賢良を舉げ、有功を賞し、封侯を立て、貨財を出だす。戊子制を受くれば則ち老鰥寡を養い、糦鬻を行い、恩澤を施す。庚子制を受くれば則ち牆垣を繕い、城郭を修め、群禁を審らかにし、兵甲を飾り、百官を儆め、不法を誅す。壬子制を受くれば則ち門閭を閉じ、大いに客を搜し、刑罰を斷じ、當罪を殺し、關梁を息め、外徙を禁ず。