長短経 / 卑政
立法以理其差。〔《文子》曰、「農、士、工、商、鄉别州異。農與農言藏、士與士言行、工與工言巧、商與商言數。是以、士無遺行、工無苦事、農無廢功、商無折貨。各安其性此立法以理其差也。〕使賢愚不相異能鄙不相遺、此至理之術。
新字:立法以理其差。〔《文子》曰、「農、士、工、商、郷別州異。農与農言蔵、士与士言行、工与工言巧、商与商言数。是以、士無遺行、工無苦事、農無廃功、商無折貨。各安其性此立法以理其差也。〕使賢愚不相異能鄙不相遺、此至理之術。
書き下し
法を立てて以て其の差を理む。〔文子に曰く「農・士・工・商は、郷を別にし州を異にす。農は農と蔵を言い、士は士と行を言い、工は工と巧を言い、商は商と数を言う。是を以て、士に遺行無く、工に苦事無く、農に廃功無く、商に折貨無し。各々其の性に安んず」と。此れ法を立てて以て其の差を理むるなり。〕賢愚をして相異ならしめず、能鄙をして相遺さざらしむ。此れ至理の術なり。
現代語訳
法を立てて違いを整える。〔『文子』に言う。「農民・士・職人・商人は、住む里や州を分ける。農民は農民と収穫の貯え方を語り、士は士と行いを語り、職人は職人と技を語り、商人は商人と計算を語る。だから士に行いの抜けがなく、職人に粗悪な仕事がなく、農民に無駄な労働がなく、商人に損をする取引がない。それぞれがその性に安んじる」。これが、法を立てて違いを整えるということである。〕賢い者と愚かな者を互いに隔てず、有能な者と拙い者を互いに見捨てない。これが最上の治めの術である。
解説
文子は、農民、士、職人、商人がそれぞれの持ち場で、同じ仕事の者同士で語り合うことで、どの仕事にも抜けや無駄がなくなると言います。人の違いを無理に一つにそろえず、違いに応じた持ち場と決まりを作る。そのうえで、賢い者と愚かな者を隔てず、有能な者と拙い者を見捨てない。違いを認めて役割を分けることと、誰も切り捨てないことを両立させるのが、最上の治め方だというのです。
この章句が説くこと
卑政文子役割分担専門性包摂法
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