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長短経 / 七雄略

何以知其然耶?昔魏王擁兵千里、帶甲三十萬、從十二諸侯朝天子、以西謀秦。秦恐、寢不安席、食不甘味。衛鞅謀於秦王曰、『王何不使臣見魏王、則臣必請北魏矣。』秦王許諾。衛鞅見魏王、曰、『大王之功大矣!令行於天下矣!所從十二諸侯、非宋、衛則鄒、魯、陳、蔡。此固大王之所以鞭箠使也、不足以王天下。不若北取燕、東伐齊、則趙必從矣、西取秦、南伐楚、則韓必從矣。大王有伐齊、楚之心、而從天下之志、則王業見矣。大王不如先行王服、然後圗齊楚。』

新字:何以知其然耶?昔魏王擁兵千里、帯甲三十万、従十二諸侯朝天子、以西謀秦。秦恐、寝不安席、食不甘味。衛鞅謀於秦王曰、『王何不使臣見魏王、則臣必請北魏矣。』秦王許諾。衛鞅見魏王、曰、『大王之功大矣!令行於天下矣!所従十二諸侯、非宋、衛則鄒、魯、陳、蔡。此固大王之所以鞭箠使也、不足以王天下。不若北取燕、東伐斉、則趙必従矣、西取秦、南伐楚、則韓必従矣。大王有伐斉、楚之心、而従天下之志、則王業見矣。大王不如先行王服、然後図斉楚。』

書き下し

何を以て其の然るを知るや。昔、魏王、兵を千里に擁し、帯甲三十万、十二諸侯を従えて天子に朝し、以て西のかた秦を謀る。秦恐れ、寝ぬるに席安からず、食らうに味甘からず。衛鞅、秦王に謀りて曰く「王、何ぞ臣をして魏王に見えしめざる。則ち臣、必ず魏を北がしめんことを請う」と。秦王許諾す。衛鞅、魏王に見えて曰く「大王の功は大なり。令は天下に行わる。従う所の十二諸侯は、宋・衛に非ずんば則ち鄒・魯・陳・蔡なり。此れ固より大王の鞭箠して使う所なり。以て天下に王たるに足らず。北のかた燕を取り、東のかた斉を伐たば、則ち趙必ず従わん。西のかた秦を取り、南のかた楚を伐たば、則ち韓必ず従わん、に若かず。大王に斉・楚を伐つの心有りて、天下の志に従わば、則ち王業見れん。大王、先ず王服を行いて、然る後に斉・楚を図るに如かず」と。

現代語訳

なぜそう言えるのか。昔、魏王は千里に兵を擁し、兵三十万、十二の諸侯を従えて天子に朝貢し、西の秦を謀った。秦は恐れ、寝ても床が落ち着かず、食べても味が分からなかった。商鞅が秦王に謀って言った。「王はなぜ私を魏王に会わせないのですか。私が必ず魏を退かせてみせます」。秦王は承知した。商鞅は魏王に会って言った。「大王の功は大きい。命令は天下に行われている。従っている十二の諸侯は、宋と衛でなければ鄒・魯・陳・蔡です。もともと大王が鞭で使う相手であって、天下の王となるには足りない。北の燕を取り東の斉を伐てば趙は必ず従い、西の秦を取り南の楚を伐てば韓は必ず従うでしょう。大王に斉と楚を伐つ心があり、天下の志に従えば、王業が現れる。大王はまず王者の衣服を用い、そのうえで斉と楚を図るに越したことはありません」。

解説

秦を恐れさせた魏王に対し、商鞅が持ち上げに行きます。あなたが従えている諸侯は小物ばかりで天下の王には足りない、もっと大きなことをせよ、と。そして先に王者の衣装を着けよと勧める。相手の野心を煽って、身の丈を超えた行動へ導く。正面から弱めるのではなく、相手自身に無理をさせる手です。持ち上げられているとき、その人は自分の身の丈を測れなくなります。

この章句が説くこと

七雄略商鞅魏王煽る王服

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