長短経 / 覇図
漢末、奄䜿擅權、何進謀誅奄䜿太后不聽。進乃召四方猛將、使引兵向京師、欲以恐刼太后。〔陳琳進諫曰、「《易》稱「即鹿無虞」、諺有曰、『掩目捕雀』。夫物㣲尚不可欺以得志、況國之大事而可詐立乎!今將軍總皇威、握兵要、龍驤虎視、高下在心、以此行事、無異於鼓洪鑪而燎毛髪但當速發雷霆、行權立斷、違經合道、天人順之。而反釋其利器、更徴外助大兵一聚、強者為雄、所謂『倒持干戈、授人以柄』、必無成功、祗為亂階進不納其言。〕董卓至、廢帝為𢎞農王、而立獻帝、京師大亂。
新字:漢末、奄䜿擅権、何進謀誅奄䜿太后不聴。進乃召四方猛将、使引兵向京師、欲以恐劫太后。〔陳琳進諫曰、「《易》称「即鹿無虞」、諺有曰、『掩目捕雀』。夫物微尚不可欺以得志、況国之大事而可詐立乎!今将軍総皇威、握兵要、竜驤虎視、高下在心、以此行事、無異於鼓洪鑪而燎毛髪但当速発雷霆、行権立断、違経合道、天人順之。而反釈其利器、更徴外助大兵一聚、強者為雄、所謂『倒持干戈、授人以柄』、必無成功、祗為乱階進不納其言。〕董卓至、廃帝為弘農王、而立献帝、京師大乱。
書き下し
漢末、奄豎、権を擅にす。何進、奄豎を誅せんことを謀るも、太后聴かず。進、乃ち四方の猛将を召し、兵を引きて京師に向かわしめ、以て太后を恐刧せんと欲す。〈陳琳、進みて諫めて曰く「易に『鹿に即くに虞無し』と称す。諺に曰える有り『目を掩いて雀を捕らう』と。夫れ物の微なるすら尚お欺きて以て志を得可からず。況んや国の大事にして詐りて立つ可けんや。今、将軍は皇威を総べ、兵要を握り、龍驤虎視、高下心に在り。此を以て事を行うは、洪炉を鼓して毛髪を燎くに異ならず。但だ当に速やかに雷霆を発し、権を行い断を立つべし。経に違うも道に合えば、天人之に順う。而るに反って其の利器を釈き、更に外助を徴す。大兵一たび聚まらば、強き者雄と為る。所謂『干戈を倒に持ち、人に授くるに柄を以てす』なり。必ず成功無く、祗だ乱の階と為らん」と。進、其の言を納れず。〉董卓至り、帝を廃して弘農王と為し、而して献帝を立つ。京師大いに乱る。
現代語訳
漢の末、宦官が権力を握った。何進は宦官を誅そうと謀ったが、太后は聞かなかった。何進は四方の猛将を召し、兵を率いて都へ向かわせ、太后を脅そうとした。〈陳琳が進み出て諫めた。「易に『鹿を追うのに案内人がない』とあります。諺に『目を覆って雀を捕る』というものがある。小さな物でさえ、欺いて思いどおりにはできない。まして国の大事を偽りで立てられましょうか。いま将軍は皇帝の威を総べ、兵権を握り、龍のように虎のように高きも低きも思いのままです。それで事を行うのは、大きな炉を吹いて毛髪を焼くのと変わらない。ただ速やかに雷のように発し、権を行い決断を下すべきです。経典に背いても道に合っていれば、天も人も従います。それなのに手にした鋭い武器を置いて、外から助けを呼ぶ。大軍が一度集まれば、強い者が主になる。いわゆる『矛を逆さに持って、柄のほうを人に渡す』ということです。必ず成功せず、ただ乱の始まりとなるでしょう」。何進はその言葉を容れなかった。〉董卓が来て、帝を廃して弘農王とし、献帝を立てた。都は大いに乱れた。
解説

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