長短経 / 適変
昔者堯之治天下也、以名、其名正則天下治、桀之治天下也、亦以名、其名倚而天下亂。是以聖人貴名之正也。」〔議曰、夫闇主以非賢為賢、不忠為忠、非法為法、以名之不正也。〕
新字:昔者堯之治天下也、以名、其名正則天下治、桀之治天下也、亦以名、其名倚而天下乱。是以聖人貴名之正也。」〔議曰、夫闇主以非賢為賢、不忠為忠、非法為法、以名之不正也。〕
書き下し
昔者、堯の天下を治むるや、名を以てす。其の名正しければ則ち天下治まる。桀の天下を治むるや、亦た名を以てす。其の名倚れば而ち天下乱る。是を以て聖人は名の正しきを貴ぶなり」と。〈議に曰く、夫れ闇主は非賢を以て賢と為し、不忠を忠と為し、非法を法と為す。名の正しからざるを以てなり。〉
現代語訳
昔、堯が天下を治めたのは名によってである。その名が正しければ天下は治まる。桀が天下を治めたのもまた名によってである。その名が傾いていたから天下は乱れた。だから聖人は名が正しいことを貴ぶ」。〈議していう。暗愚な君主は、賢でない者を賢とし、不忠を忠とし、法でないものを法とする。名が正しくないからである。〉
解説
堯も桀も名によって治めた、という言い方が鋭い。仕組みは同じで、名が正しいか傾いているかだけが違った。暗君の特徴は、賢でない者を賢と呼び、不忠を忠と呼び、法でないものを法と呼ぶこと。悪意で壊すのではなく、呼び名がずれたまま運用することで壊れます。言葉の正確さが統治の技術そのものだ、という法家の中心的な主張です。
この章句が説くこと
適変法家名実正名堯桀
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