長短経 / 量才
力能過人、勇能行之、而智不能料事、可以為先登、未足以為將帥。必聰能謀始、明能見機、行能決之、然後乃可以為英、張良是也。氣力過人、勇能行之、智足料事、然後乃可以為雄、韓信是也。若一人之身兼有英雄、則能長世、高祖、項羽是也。〕
新字:力能過人、勇能行之、而智不能料事、可以為先登、未足以為将帥。必聰能謀始、明能見機、行能決之、然後乃可以為英、張良是也。気力過人、勇能行之、智足料事、然後乃可以為雄、韓信是也。若一人之身兼有英雄、則能長世、高祖、項羽是也。〕
書き下し
力は能く人に過ぎ、勇は能く之を行うも、智は事を料る能わざれば、以て先登と為す可くも、未だ以て将帥と為すに足らず。必ず聡は能く始めを謀り、明は能く機を見、行は能く之を決し、然る後に乃ち以て英と為す可し。張良是なり。気力は人に過ぎ、勇は能く之を行い、智は事を料るに足り、然る後に乃ち以て雄と為す可し。韓信是なり。若し一人の身に英雄を兼ね有せば、則ち能く世に長たり。高祖・項羽是なり。〕
現代語訳
力が人に勝り、勇が実行できても、知恵が事を読めなければ、一番乗りにはなれても将帥になるには足りない。必ず、聡が始めを謀り、明が機を見抜き、行いがそれを決断できて、はじめて英とすることができる。張良がそれである。気力が人に勝り、勇が実行でき、知恵が事を読むに足りて、はじめて雄とすることができる。韓信がそれである。もし一人の身に英と雄を兼ね備えていれば、その時代の長となることができる。高祖と項羽がそれである。〕
解説
抽象的な分類が、最後に四つの実名で着地します。張良は英、韓信は雄、劉邦と項羽は両方を兼ねた。ここで項羽が劉邦と同格に置かれているのが重要です。英雄を兼ねていても、必ず勝つとは書かれていません。世に長たり、つまりその時代の主役になれるとだけ言う。資質の話と結果の話をきちんと分けているのです。資質で勝った項羽が負けたことは、この後の篇で別の要因として扱われます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
英雄張良韓信劉邦項羽資質
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